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今年流行「外食サブスク」 値段はどう決まる?

BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラス」。12月17日の値段の方程式のコーナーは「外食産業のサブスク」を取り上げました。サブスクとはサブスクリプションの略で定額課金サービスのことです。毎月決まった金額で、様々なサービスが使い放題になるというモデル。今年の流行語大賞の候補にも選ばれました。様々な業界がサブスクを始めていますが、今回は外食業界に絞ってお話ししました。

まず飲食業界ではどんなサブスクがあるのでしょう。

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外食全体の近況を見ると売り上げは基本的に好調です。ただ、直近では消費増税の影響なども心配されており、10月は前年同月比2.4%のマイナスになっています。

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そんな中、サブスクを導入する企業が目立っています。サブスクのシステムを運営するインサイトコアの場合、今年2月にサービスを開始して急激に採用店舗を増やしています。現在、30ブランドで200店。早期に2000店舗を目指すといいます。

店舗のメリットとは

キャスターの天明麻衣子さんが「サブスクというと、元々は音楽とか映像配信とかが中心だったのでは。外食はそれとは違って、材料費などサービスのたびにコストがかかる。極端な話1カ月30回利用すると、店にとってはとんでもない赤字になりそう。大丈夫なんでしょうか」と質問しました。
外食がサブスクを導入するメリットについて、11月から東京と千葉の3店舗でサブスクサービスを始めた焼肉の牛角で話を聞いてきました。

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担当者は「飲食店において大事なのは新規とリピーターのバランスです。サブスクはリピーターとの関係性を築くのに可能性があります」と話します。焼肉店だと2~3カ月に1回とかが平均的な来店スパンですが、サブスクの購入者は平均で1カ月の間に2.5回から3回来てもらっているそうです。
「確かに1カ月で31日来るとお店は赤字になりますが、すべてがそういう客ではない。来店頻度を増やす方がうれしい」と話します。

「定期券」で固定客獲得

競争の激しい外食業にとっては、「定期券を持っているからあの店に行こう」となるのが最大のメリットです。ある大手居酒屋チェーンの場合、サブスクの導入で客単価は10%下がったそう。一方で来店頻度が4倍になった。例にするとこんな感じです。

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外食は価格競争になりやすいですが、お客さんの来店頻度を増やすことで、価格競争から一線を画し、経営が安定します。天候不順や気温の変化による客数の増減の波を安定化させ、常に一定の売り上げを保てるメリットもあります。

値段設定のノウハウ

サブスクの値段をいくらくらいにするのかは、難しそうですね。牛角の1カ月食べ放題は1万1000円。担当者にこの値段設定の理由を聞きました。「1カ月、3回くらいで元が取れないとお得感がない。値段設定を安くしすぎると、売れない」と話します。牛角の場合は3回行けば元が取れる値段設定です。

お客さんにお得だと思ってもらわないと買ってもらえないし、ただ、客の来店頻度が高すぎると困る。それの見極め、つまり「来店何回分」という計算で値段を決めている。
外食のサブスクの値段設定はこうやって決まっています。

サブスクで客単価ダウン リピート率アップ

サブスク導入による客単価のダウン幅とリピート率のアップ幅、このバランスで決まります。

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最後にキャスターの豊嶋広さんから「消費増税後の利用者減少の対策として、今後もサブスクは増えてくるんでしょうか」と質問がありました。牛角が11月から始めたように、顧客つなぎ止めの手段としてサブスクを利用する企業は増えそうです。

おまけ:サブスクサービスを展開する企業にインタビュー

番組に登場した、外食向けのサブスクサービスを展開するインサイトコア(東京・品川)。今回、日経の音声チャンネル「ヤング日経」の火曜パーソナリティ、横山由季さんがインサイトコアの島田会長にインタビューしています。熱い男、島田さんがサブスクとはなにか、そのメリットをじっくりと話しています。
こちらもぜひお聴きください。


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