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「レジの無人化」 普及のカギは利用者のメリット

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO34388550R20C18A8H46A00/

アマゾンのレジの無人化システム「アマゾン・ゴー」について、チャーリーさんが23日付の日経MJで解説しています。

日本は意外にもサービス産業の無人化で先行しています。早かったのが消費者金融業界で1990年代初頭から「むじんくん」「お自動さん」などの名称の自動契約機が普及しました。遠隔操作で人が審査しており、完全な「無人」ではありませんが、大幅な人件費削減につながったという話を実際に取材で聞きました。90年代後半から日本でもセルフのガソリンスタンドが解禁されました。

フロントや案内係としてロボットが働く世界初の「変なホテル」は2015年に長崎のハウステンボスで1号店が開業、現在では全国7店に拡大しています。無人レジも今回のアマゾン・ゴーの開業より前に実証実験がありました。17年11月、JR東日本は大宮駅で無人店舗の実証実験をしています。

コンビニ業界も人手不足。アルバイト時給も右肩上がりですから、お店側には無人レジを導入するメリットは大きそうです。ただ、買い物客に明確なメリットを打ち出していかないと、日本では定着は難しいような気もします。仕組みは全然違いますが、JR駅構内のコンビニ「NewDays」がセルフレジを設けています。あまりセルフレジに並ぶ人を見たことがありません。

消費者金融の無人契約機は「なるべく人目につきたくない」という利用者側のニーズがありました。「変なホテル」はロボットが案内するという、アトラクション的な楽しさ、意外性が宿泊者を引き付けています。

ガソリンスタンドのケースをみてみます。石油情報センターによりますと、全ガソリンスタンドに占めるセルフの割合は2017年度で32.3%。前の年度に比べ1.0ポイント高くなっています。セルフの数は減っていないのに対し、通常のガソリンスタンドの数が大きく減っているためで、多少価格が安いとはいえセルフが消費者の支持を受けて大きく躍進しているわけではありません。

レジ業務の自動化で、店員はタイムラグのない在庫補充やお客とのコミュニケーションの機会が増え、サービスの質をより高めることに注力できるようになる。小売業だけでなく、さまざまな対面サービスへの展開が期待できる。

チャーリーさんがMJの記事で指摘されているような、サービスの質向上につなげて利用者側のメリットを出していくことが無人レジ、無人店舗の普及のカギを握る気がします。

© super_murachan

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