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フリーランスITエンジニア DX推進で報酬増

世の中の様々な値段がどうやって決まっているのかを解き明かす「値段の方程式」。きょうのテーマは『フリーランスのITエンジニア  DX推進で報酬増』です。 現在のフリーランス全体の人口は257万にいるとされていて、派遣社員の上回り、契約社員に近い水準になっています。その中でもフリーランスのITエンジニアの収入が上がっています。

値段の方程式
BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラスFT」(月曜〜金曜の午前7時5分から)内の特集「値段の方程式」のコーナーで取り上げたテーマに加筆しました。

フリーランスの平均年収は765万円

ITエンジニアの年収のグラフです。コロナ禍ではほぼ横ばいで推移していましたが、ここ2年は上昇傾向です。IT技術者向け人材紹介サービスのPE-BANKによるとフリーランスエンジニアの平均年収は765万円。会社員エンジニアの平均年収がおよそ600万円なので会社員とフリーランスで150万円近い差があります。

収入増以外の魅力

フリーのエンジニアとして活躍する人や仲介する企業に取材してきました。 2年前からフリーランスのITエンジニアとして働く内城瑛(ないじょう・あきら)さん。 「フリーになって収入は2〜2.5倍くらいに。可処分所得自体も倍近くになった」。フリーランスを選んだ理由について「自分が頑張っても、給料の上がり幅とか給料自体が自分の納得いくものになっていないので独立という選択をした」と説明しています。
PE-BANKの担当者は「能力が収入に直結することがフリーランス増加の理由の1つだ」と話します。年代的には40代の方達が一番年収が高くなっている。 一般企業の場合、40歳、50歳、60歳と年齢が上がるごとに年収もアップするイメージがありますが、フリーの場合、40代の一番活躍できる 人が年収が高いという傾向になります。収入を増やせる以外にもメリットがあります。フリーランスだと副業もできる。エンジニアをやりながら、イチゴ農家など会社員では難しいユニークな働き方をしている人もいるそうです。

エンジニアの職種とは

エンジニアというとプログラミングをしているイメージですが、どういった分類があるのでしょうか。大別するとSE(システムエンジニア)とプログラマー。その上にプロジェクトを管理するコンサルなどがあります。その上には、プロジェクトを管理するコンサルなどがいます。

SEは設計者で、「システムの設計」と「クライアントとのやり取り」を担当する役職です。プログラマーはSEが作成したシステム設計書通りに詳細設計を行いプログラミングする役職です。コンサルやWebディレクターなど、スキルレベルの高い方がプロジェクト管理系の、会社で言うと「管理職」になっています。分野別に見ると、「コンサル」の平均年収が1029.4万円です。次いで「Webディレクター」「PM」が高くなっています。

最近は企業がDXを推進しようとしても、どのように進めてよいかわからず困っています。コンサルなどがプロジェクトの管理や設計をして進めていく場面が多くなっています。PE-BANKによるとコンサルで月240万円もらっている人もいます。
エンジニアの中でフリーランス志向が強まっています。コロナ禍でリモートワークが定着しました。特にエンジニアはリモートで作業をしやすいことから一つの会社に帰属して働こうと思う人が減っているようです。

ここで今日の方程式です。

ITフリーランスエンジニアの収入増=DX推進+フリーランス志向


不足に輪をかけるIT業界「2025年の崖」

今後もエンジニアの報酬は上がりそうです。IT業界では以前から指摘されていたのがITインフラの老朽化によって生じる「2025年の崖」。対策しなければ年間最大で12兆円の経済損失が発生すると言われています。これに備えて企業はDXに取りかかっています。
じつはこれが人材不足が強まる要因です。以前から使っていたシステムの保守・改修にエンジニアの力が必要。さらにシステムを更新する際にもエンジニアが必要ということで「2つの不足」が発生しています。

ChatGPTの活用でプログラミングコードの生成もできるようになり、エンジニアの作業効率化にもつながっています。今まで以上にエンジニア自身のスキルアップが求められています。エンジニアといえば職人気質、寡黙な人というイメージを持っている人も多いかもしれません。実際はチームで作業する場合も多く、一緒にプロジェクトを進めていくメンバーとの意思疎通ができるような人材が重宝されています。他にもトレンドの情報収集力や専門性も重視されています。


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