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【詩】パネルヒーターの情緒

今日はやけにパネルヒーターが倒れるので
どうしたのかと聞けば
春が来るのが怖いのだという
「別に春が来たってお前を捨てたりはしないよ」
と言うと
急に喋らなくなってしまって
三秒後にはモノになってしまった

ああ、捨てられることよりも
冬がなくなるのが怖いのか

「そういえばお前は冬以外を知らないんだね」
と言うと
頷くようにこちらに傾いてくる

倒れることでしか意思表示ができないお前にも
情緒というやつはちゃんとあるんだねぇ

冬においていかれるのは嫌だと言うので
電源から切り離してやれば
ありがとう、と言って落ちていく

おやすみ、ヒーター
また来季

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