【短編小説】一粒の涙

高校生の花子は、いつも明るく元気な少女だった。しかし、彼女には秘密があった。それは、彼女が生まれつき涙腺が弱く、泣くととても痛くなるということだった。たとえ喜びの涙を流そうとしても、痛みに耐えられず涙は出ず、心の中で抑え込むことが多かった。

ある日、花子は学校で担任の先生から、クラス全員で学園祭の一大イベントである「クイズ大会」に出場することになった。花子は自信を持っていたが、クイズ大会当日、彼女のチームは惜しくも敗退してしまった。

花子は悔しい思いを抱えながら、部屋に帰ってきた。その時、何かが突然花子の心を落ち着かせた。それは、彼女が流していた涙だった。初めは痛かったが、やがて痛みがなくなり、花子は心の内から泣き出した。純粋な気持ちが、涙となって流れ出す。泣き疲れた花子は、最後に一つだけ確信を持っていた。それは、もう一度クイズ大会に出場し、勝利をつかみ取ることだった。