1997年5月8日『二ィーの恋』

1997年5月8日『二ィーの恋』

今日はチェンセーンの街で過ごす最後の日。何日か過ごしたチェンセーンの街、いつの間にか大好きになっていた。

明日から行くチェンコンに備えて銀行で両替をすませたあと、みんなでビデオ屋(レンタル)を経営している”二ィー“の店へ行った。二ィーは27歳、独身のタイ人女性である。

木村さんの話によると二ィーはどうも山口さん(36歳)男性に心を寄せているらしい。山口さんは今、隣にあるゲストハウスに泊まっている人であるが、日本ではトラックの運転手をしており、5年ほど前からちょくちょくチェンセーンに来ているようだ。

山口さんはとてもこの街をとても気に入ってるらしく、今回はこちらで住む家を探しているようなのだ。彼はメコン川沿いの家を探しているのだが、どうも川沿いはやはり好立地(景色が最高)のため価格も高く、先日売りに出されていたものは土地及び家で1000万もするということだった。山口さんにはちょっと手が出ない価格のようだ。

ニィーとは5年の付き合いがあり、山口さんがチェンセーンに来た時はいつも、山口さんがニィーをどこかへ連れて行ってあげているようだ。先日もピーピーの店にいる時も、二ィーは山口さんの横にベッタリと座っていた。

僕らがから見ればとてもお似合いに見える。山口さんはかなりのレベルでタイ語を使いこなせるので、意思の疎通は特に問題はないようだ。二ィーはよく街の人から、「いつ結婚するんだ?」と聞かれるらしい。

そこら辺の状況を木村さんに聞いてみたが、どう山口さんには”あまりその気はない“ようだ。気になった木村さんも二ィーに直接確かめたようだった。

木村さんによると、どうも、二ィーは1度山口さんに対して「結婚しようか?」と言ったことがあるらしい。その時の状況はどれほど本気で言ったのか分からない。しかし返事は「No」 だったという。

二ィーによると、「山口さんは“チェンセーンの街が好きであり、それゆえにこの街へ来る”わけであり、さらに家を買おうとしているのである。別に私に会いに来てくれているわけではない。」 そして、「私は大して美人ではないし、そのことはしょうがないと思う」と もらしていたという。

とても二ィーがいじらしく、かわいそうに思えた。タイ人と日本人という関係が、こんな街にもこんな形で存在しているんだと思うことを何かとても不思議に感じた。


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