相田みつをの『一生感動 一生青春』を読んで

『一生感動 一生青春』

『相田みつをはなんとPTA会長だった。今、明かされる衝撃の事実。』

相田みつをといえば、あの独特の字体からなんとなく放浪画家の「山下清」のような風貌を思い浮かべる方が多いと思います。そう、小太りでいつもランニングシャツを着てるようなイメージですね。しかし実態はぜんせん違いました。

みつをは、かなりの知識人でもありました。18歳のとき武井哲応禅師に出逢い、在家で禅を学びます。その思想は彼の言葉に深く現れています。

また相田みつをはPTA活動や町内活動にも熱心でした。人と付き合うことが非常に好きだったようです。ただどちらかというと縁の下の力持ち的な仕事を好んでいたようです。

そんな彼の特徴をあらわしているのが次の作品です。
 『土の中の水道管 高いビルの下の下水 大事なものは表に出ない』

そして、皆さんが好きなのは彼の言葉はもちろんのこと、あの独特の“文字”にあると思います。

彼は、“あの字体”をはじめから書いていたわけではありません。もともと彼は7年連続で毎日書道展に入選するほどの古典書道の実力者でした。

それが苦心の末、30歳の頃に個性を打ち出した独特の書体を確立します。

その後、求道者のように“書”に命をささげます。そして有名になることもなく、貧乏なまま67歳で世を去りました。
彼が有名になったのは彼の没後しばらくたってからになります。

そんな彼の生き様が“書”だけでなく、彼が実際に書いた文章としてこの本の中に収められています。
カレンダーで見る「みつを」だけでなく、ぜひ彼の生涯をもっと多くの人に知ってもらいたいものです。

そんな崇高な”みつを”ですが、最後にちょっとわれわれも共感できる彼の作品を紹介したいと思います。


『毎日少しずつ それがなかなかできねんだなあ』   みつを

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