1997.4.22 出発の日 ②


 1997.4.22 出発の日 ②

飛行機が到着したのは夜10時、そして手続きを終えて空港を出たのは11時に近かった。バンコクの気温は29℃。空港を出るとムワっとした熱い空気がまとわりついてきた。4月といえどバンコクはすでに夏だった。
 

 カオサンロードへは山崎さんの提案により、ローカルバスで行こうということになった。バス乗り場を探しまわり、ようやく乗り場にたどり着いたのは11時をはるかに過ぎていた。しかし着いたのはいいが、どのバスに乗ったらいいか分からない。

回りを見回してみるとタイ人の中に紛れて、いかにも旅行者という感じの日本人がいた。話しかけてみると予想通り、「カオサンロードで宿をさがす」とのことだったので、彼に一緒に連れていってもらうこととなった。


 この人は木村智さんといって俺と同じ年の27歳。3~6ヶ月の予定で旅行に出てきたということだった。

カオサンロードは空港からかなり遠く、着いたのは12時近かった。木村さんに案内されて、彼が前に泊まったことがあるというホテル行くが、『満室』ということで泊まることができなかった。


 カオサンロード周辺をウロウロ回ったが、12時を過ぎていたこともあり、空いている宿は少なく、また空いていても料金が高くダメだった。30分くらい歩き回っただろうか。荷物が重いこともあり、俺は少々くたびれていて、泊まれるならどこでもいいという感じになってきた。
 

 すると一軒、まだ電気がついているホテルがあり、聞いてみるとシングルで100バーツ(日本円で当時1200円くらい)という。これは決して高くない。

部屋は3つあるかと聞くと「2つしかない」という。但し、3人部屋なら空いており150バーツだという。すると1人50バーツということになりかなり安くなる。しかしこちらは女の子がいるため、まずはじめに彼女の意見を聞かなければいけない。
 

 すると彼女はあっさりと「いいよ」と言っている。けっこうハキハキしている女の子で、意外なほどあっさりと承諾した。


部屋に入りしばらくの間3人で話していたが、みんな疲れていたのでそれぞれシャワーを浴び寝床に入った。

旅の初日で、すでにいろいろなことが起き、そしてたくさんの出会いがスタートした。眠りについたのは、夜中の2時半頃になっていた。




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