客のオモロイ注文が、今日も本屋さんを困らせている。
noteで本屋さんのことをあーだこーだと投稿している身ではあるけれど、本屋さんだって客のことをいろいろ噂していると知ってしまった。
『本の雑誌』2月号—。
ここで書店員さんたちが、困った客やオモロイ客のことを暴露している。
今回は、『本の雑誌』からそんな噂話の一端を紹介してみよう。
●解読できる? こんな注文
お客さんの中には本のタイトルを間違ったり勘違いして注文する人がいるらしい。
いや、ウロ覚えだからこそ、店のカウンターで助けてもらいたい時もあるのだろう。そのための店ではないか。
実際にあったお客さんのアレレな注文が、誌面にクイズ形式で載っていた。
ここに5点抜粋してみたが、あなたは正しい本タイトルを導き出せるだろうか?
★ ハテナ?なご注文タイトル ★
①『山の旅』という日記
②「そこにいて頑張れ、みたいな。お坊さんの」
③『百歳おめでとう』
④『トゥエンティファイブエーエヌエス』
⑤『マサヨシの花火』
ちなみに私がわかったのは⑤だけ。いやもう、お手上げ。
答えはこちら↓
④は、25ansね。
言われてみればそのままだけど、これ、タイトルの読み方は『ヴァンサンカン』だから。老舗の人気女性誌だから。娘か奥さんに頼まれたお父さんかおじいちゃんが、雑誌の表紙見てメモして来たんだろうな。
うーん難解。
他にも、
五木ひろしの『青春の門』とか、阿川泰子の『聞く力』などがあるそう。
正しくは、五木寛之であり阿川佐和子なのだが。
この程度なら書店員さんはわざわざ訂正することもなく、何事もなかったように本を渡されるそうだ。愛だなあ。見逃してくれてありがとう。
●覆面書店員さんたちの噂話
困ったお客さんあるあるで盛り上がる、書店員さん数人の覆面座談会。
その様子は……。
とにかくTVで見た、新聞で見たけどタイトルがよく思い出せないというケースが多いそうだ。
また最近では、いくら探しても見つからないのでお客さんの情報をたぐり寄せると、電子版でしか発行されていない本というケースも多いとか。
誰もが検索してネットで注文しているわけではない。Amazonで注文すればすぐ来るのに、わざわざ本屋で注文する理由はちゃんとある。
内容を書店員さんに聞いてみたいとか、ネットで在庫がないから店で注文してほしいとか、そもそもネットでの注文に慣れてない人だって大勢いるんだし。
私はかつて、店頭注文を嫌がられる書店員さんに遭遇したことがある。ソヤツ、明言せずとも私を残念なモノでも見るような表情をしやがった。忙しいんだからネットで注文しろよ的な?
でもこんなことはごくまれだ。
大体は親切対応。書店員さんと本のこともいろいろ話せてけっこう楽しい。
覆面座談会を読んでいると、書店員さんたちが探偵に見えてくる。
お客さんの適当なうろ覚え、しかも間違ったタイトルから目的の本を突き止めるんだから。
そんな私にも“タイトルあやふや”な本がある。
P.K.ディックの『高い城の男』だ。
何度も再読してるのに、いまだに『高い塀の男』と口をついて出てしまう。
困ったお客さんのこと、笑えないわ。
今回は『本の雑誌』から、我々が肴にされているオモシロ記事を紹介した。
この雑誌、読者投稿欄や編集内容からもミドルエイジ以降に愛されているのは一目瞭然。
ディープな内容ではあるけれど、もう少し若い熱量が加わることを所望している。新刊紹介コーナーでは大森望氏だって大活躍だし、本好きに特化している内容なんだから。
本屋さんでは「文藝春秋」や「オール読物」なんかのコーナーに置かれている『本の雑誌』。
ご存知ない方は、いちど手に取ってご覧あれ。
▼あとがき▼
サムネール画像は画像生成AI「DALL·E 3」を使って作成し
Pixelmator Proでサムネールサイズに編集加工しました。
記事中のイラストもすべて同様に作成しています。