見出し画像

信用貯金 「貯信」

世の中のほとんどは
信用のもとに成り立っているものが多い。

1万円札をはじめ紙幣の製作費は
正式に公開されていないが
およそ17円程度と言われている。
間違いなく言えるのは
1万円札に1万円という実質的な価値はない。

しかし世の中の人々が
1万円札は1万円の商品と交換出来ると
信用しているから成り立っている。

人間関係においても同じ様に
この人は約束を守る
この人は楽しませてくれる
この人は助けてくれるなど
理由は様々だが
相手の事を信用しているからこそ
成り立っている。

毎回約束を破り、不快にされ
困った時に手を差し伸べる事をしない様な人
には近づこうとさえしないだろう。
この様な極端な人であれば分かり易いが
実際の人間関係はもっと複雑である。

例えば職場でこんな場面に遭遇した。

仕事においてベテラン社員が
後輩の仕事について指導を行っていた。
この時のベテラン社員の指導は
誰もが認める正論であったにも関わらず
これは後に分かったことだが
後輩社員はこの事を不快に感じていた。
また、後輩社員のこの感情は
ベテラン社員にも伝わっており
後日、この後輩についてやる気が無いと
評価していた。

単純に考えれば
ベテラン社員は正当な指導を行っており
後輩社員に問題があると感じる。
しかし後輩社員に
不快に感じた理由を問合せたところ
このベテラン社員は日々指導をしてくるが
自身も出来ていない場面があるために
不快に感じたとの事であった。

既に、二人の間に
信頼関係はなく人間関係が
成り立っていない状態であったのだ。

YouTube講演家 鴨頭さんが
過去の講演において
人間関係を築く構図について
日々の信頼関係(信用)が土台となった上に
「怒る」「褒める」の特別な表現が
乗っかっている。
土台となる部分がしっかりしてなければ
その上にくる怒るや褒める行為は
相手には通じない。

と表現されていた。

もちろん
間違った事をした後輩社員が
素直に指導を聞けば問題ないという
意見もあるだろうしベテラン社員を非難する
声もあるだろう。

しかしここで重要な事は
常に信用を落とす可能性がある
という事ではないだろうか。

上記のベテラン社員にとっては
日々、真面目に仕事をこなし
後輩の為を思い指導をしており何ひとつ
不備は無いと感じているだろう。
しかし実際には、自分の気付かないところで
後輩からの信用を失った。
また価値観の違いから
自分にとって小さな出来事でも
相手にとっては大きな出来事である場合があり
自分の思ってる以上に失った信用が大きい
といった可能性もある。

加えて着目すべきは
日々指導を実施しているという点である。
日々指導=自分が信用されていない
という風にも考えられる。
後輩社員からすれば
このベテラン社員は自分の事を
まったく信用してくれていないと感じた
可能性もある。
つまりこの場面でも
信用を失った可能性がある。

この様に自分への信用は
日々どこかで失っている可能性がある。
もしかするとそれは
自分にとって予想もしない場面かもしれない。
理不尽な解釈によることかもしれない。
それを予想し防ぐ事は容易でないだろう。

大切になるのは、
信用貯金すなわち「貯信」だ。

私たちは日々のなかで
信用という数値を貯めたり
消費したりして生活している。
普段から信用を貯めている(貯信)人は
残高が多いため多少の不備も
周囲から許容されやすい。
しかし信用を浪費する人は残高不足となり
上記ベテラン社員の様な人間関係の崩壊を
招くことになりかねない。

どんな事でもいい。
人にとって信用できる人はどんな人か
日々考え行動する。
人を助けたり、手伝う事はもちろん
同じ内容でも言い方を変えてみるなどの
小さな事でも貯信は出来るだろう。
信用を貯めよう。

必ず誰かが見てくれている。
そして必ず自分にとっても良い方向へ
向かっていく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?