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【若者の投票率7割を超えるドイツで取材】

若者の投票率が7割を超えるドイツに1週間ほど取材に行きました。これまで、スウェーデン、イギリス、フランスなどに取材に行きましたが、ドイツならではの取り組みがたくさんありました。
 
「選挙には行くのが当たり前。世界には、独裁国家の国もある中で、民主主義を行使できる者としての倫理的責任だと思う。選挙に行かないなんて、行きたくてもいけない人に対して、失礼だと思います」と語るのは、ドイツの15歳の高校生。政治教育に力を入れているドイツの子供たちはすごいです……。

今回は、2校の学校取材、政治学者さん、連邦教育センターのトップ、主権者教育の団体、学校会議の担当スタッフ、生徒会長、歴史の先生、政治の先生、高校生などたくさんの方に取材させていただきました。
 
「日本のように若者の投票率が3割という状態は、政治家が国民を代表しているとは言い難く、民主主義が危機的になってしまう」と高校の授業で紹介されていました。投票を棄権する人々というテーマで、先生がデータを簡潔に示し、ディスカッション中心に90分授業が展開されます。意見が止まることなく、どんどん出ていて驚きました。

根底としてあるのは、「ナチスへの反省」であり、独裁体制を二度と作らぬよう、民主主義教育に力を入れるという合意が社会全体で取られているということです。
 
平和を「祈る」だけではなく、平和を「作る」ために私たちに何ができると思いますかと、ドイツの歴史の先生に聞きました。「戦争は同じような理由で繰り返されてしまう。だから、戦争の原因分析をしっかりし、歴史を学ぶこと」と言われました。また、なぜ当時の権力者がその選択をしたのか。個人の決断にフォーカスするという。そうすると、当時の支配的価値観が見え、今の価値観と比較し、今の価値観を疑うことに繋がります。そして未来の価値観を考えるようになると言います。これは日本でも転用できそうなので、日本なりの輸入の仕方を考えます。

ドイツには、民主主義と政治参加を活性化させるための機関「連邦教育センター」が省庁の中にあります。超党派の議員や専門家が審議会のメンバーをして、監査して、政治的な偏りを防ぐようにしています。代表に取材したところ「メディアを見て、批判的に考える力をつけることを重要視している」とのことです。年間、政治参加を促す団体におよそ1億円も支援しているというからすごいです。日本の主権者教育の団体は、資金不足で数年で撤退してしまうことが多く、社会全体として支えているのも大きな特徴だと思います。 

他にもドイツのベルリン州では、民主主義を早くから実践するために学校会議という取り組みがあります。こちらは、小学校〜設置されており、学校の時間割や校長先生の選任などあらゆることを決める会議で、なんとそのメンバーには、校長、教師、保護者代表、外部専門家に加え、生徒代表がいるのです。「子どもたちに任せるとポピュリズムに陥ることはないんですか?」と私が聞いたら、「たとえポピュリズムになったとしたら最高の学習の機会。子どもたちは次の年からその子を選ぶことはない」と言われました。政治家=自分達の代表者といくら習っても、それが実感として日本では湧きにくいですよね。でもこうして学校の中で、代表者がいることで、民主主義を体感できます。

高校の生徒会長に、「他の学校の生徒会と連携していますか?」と聞いたら「連携し、代表者が行政職員と会議する場があります。そこでは、州からお金がでている学校の設備の修理などを直接頼んでいます」ということでした。生徒が直接、大人と対話し、民主主義を実践する場が学校の内、外にあるのです。

日本の課題なども色々相談にのってもらいました。政治学者の方や連邦教育センター長からは、日本だけで合意をとるのは難しいから、国際的な団体と連携し、日本社会で説得していくのがいいのではないかというアドバイスをもらいました。

正直、小さな会社なので海外取材にいくだけでもかなり大変です。
 
ドイツの取材の経費は、80万円以上かかる見込みです。約10日滞在で通訳30万、コーディネート20万、宿泊費15万円、飛行機新幹線など交通費20万円。この上、さらに文字おこしや動画編集費代がかかります。宜しければ、ご支援お願いします。
 
ウクライナ、スウェーデン、イギリス、ドイツでの取材は合計で200万円以上かかりそうです。動画編集や文字おこしなど、これからかかってくるお金もたくさんあります。

https://takamatsunana.com/support
 
最初、救急車で運ばれてしまうというアクシデントもありましたが、1週間ほど取材活動もできました。今は元気です!ご心配おかけしてしまいすみませんでした。


イギリスに戻り、約1週間ほど取材してから、日本に帰国予定です。日本でのお仕事もお待ちしています!本気で日本社会に主権者教育を根付かせるため、何が必要かを抜本的に見直し、提言や働きかけもしていこうと思っています。興味ある方やお力添えくださる方はご連絡ください。応援お願いします!!

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