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自殺を考え、自助グループに通いだした。そして楽になった私が今伝えたいこと。

竹内結子さん心よりご冥福をお祈りいたします。

どうかお願いだから理由を詮索したり、ご遺族の方に無理に取材するのはやめてほしい。変に犯人探しをしたら、次の被害者を出すだけですし、周りの人は絶対、なんで助けられなかったんだと後悔しているので、誰かを責めたりしては本当にいけないと思います。

今年の7月、私は「死にたい」と思った。涙が止まらなくなった。いのちの電話など相談窓口にかけ、精神科の受診をすすめられた。精神科を探す元気もなく、いい精神科を知ってそうな人に「メンタルがヤバくて話を聞いて下さい」「精神科いいところ教えて下さい」と言った。NHKの元上司がリストを送ってくれたり、深夜に5時間話を聞いてくれた。大学の先輩や笑下村塾の仲間なども助けてくれた。私は、子どもの自殺や自死遺族の取材は、よくしていたので、相談窓口を利用したり、誰かにSOSを発すること、精神科に行くことの大切さは知っていたが、いざ自分が当事者になるとパニックになった。

そこまで追い詰められた理由は、今思うと、 NHKの退職のゴタゴタや週刊誌にかぎまわられたこと、コロナでの経営危機、お笑いの舞台の自粛、将来に対する漠然とした不安などいろんなことが重なったからだ。

NHKでの悩みは、取材先を守らないといけないし、 NHKでしか知り得たことを言うのはダメだし、でも嘘がネットで書かれ本当に辛かった。涙が止まらなくなってはじめて、自分がここまで追い詰められていたんだということを私は悟ったのだ。自分が一番驚いた。「こんなギリギリだったの、私?」って。「仕事したいんですけど、なんで涙とまらないの?」って。

中でもありがたかったのは、厚生労働省の仕事で依存症の啓発動画を一緒に作った田中紀子さん。助けを求めたら、すぐに車でかけつけて下さり、「自分を褒めてあげて」「自助グループに来てください」と声をかけて下さった。「自分はあの人より●●ができない」だからもっと努力せよと自分を他人と比較してきた人生だったので、自分の褒め方は本当に分からなかった。田中さんは、すごくたくさん私のことを褒めて下さった。褒められても、「でも〜」と否定する私に、さらに粘り強く否定して、褒め続けてくださった。

そしてお誘いいただいた自助グループに参加した。自助グループとは、同様の悩みを抱える人と自発的に結びつく会のことだ。その自助グループは、依存症になった人たちが通い、自分の今の苦悩を吐露しあうところだったが、「たかまつさんも共感できますよ」と言われ背中を押して貰い参加した。雑談から始まり、途中から、自分の今の苦悩を吐露しあう。絶対に否定はしない。黙ってきく。辛いのは自分だけじゃないという気持ちになる。あと、大事なのはここで知り得たことは外で言わないというルールだ。私が参加させていただいたグループには、俳優の高知東生さん、元プロ野球選手の清原和博さん、元 NHKアナウンサーの塚本堅一さん、元NHKのうたのおにいさんの杉田あきひろさんがいらっしゃった。

週刊誌にのるかもしれないから、誰にも今まで話せなかったことを気づけば話していた。他の人の話も絶対に口外しない。したら自分だとばれるし、人に言えるものではとてもじゃないけどない。何より大切な仲間だ。みんな生きづらさをもっている。自分だけじゃない。話すだけで楽になる。心理的安全が確保された空間だ。芸能関係者だけの秘密だから、なんかすごく気軽に話せた。著名人特有の嫉妬やプレッシャー、好き放題ネットや週刊誌にかかれるのが当たり前、人に利用されることは日常茶飯事、人を気軽には信用してはいけない……。

この辛さを分かり合えるのは、同業者だけだと本当に思う。芸能界の自助グループを作りたい。というより、あった方がいい。いろんな報道を見るたびに、自助グループに来ていたら、少しは違ったんじゃないかと考えてしまう。少なくとも私はすごくすごく楽になった。特に山口達也さんはすぐにでも来ていただきたい。

自助グループは、私をはじめ清原さん、高知さんらのように自分で「参加している」と公表する分には構わないが、他人から「~も来ている」と公表されることは絶対にない。明かしたくなければ参加の秘密も守られる。精神科やメンタルクリニックには「万が一、通院がバレたら」という恐怖心が起き、足が向かない場合でも、自助グループなら同業者である仲間が徹底的に守ってくれる。

最近は、自分が売れていないとか気にせず、困っている人を特に同業の人で見かけたら、「大丈夫ですか?」と声をかけるようにしている。かなりの頻度で思った以上に追い詰めた返事が返ってくる。プライベートもない。コロナで人を元気にすることも難しい。活気もない。悩んでいる理由は人それぞれだと思いますが、何百歩も時代から遅れたこの業界に心理的安全地を作る必要があるだろう。

だから、私は、組織での不条理や、真面目故に思い詰める、 SNSでの誹謗中傷、いじめなどに目を向ける。私は弱い人間だからだ。助けを求めないと生きていけないし、助けてもらったからこそ、同じように悩む人を救いたい。

三浦春馬さんがなくなった時に、自死遺族の苦悩について高知東生さんにお話していただいたり、組織の不条理さで、公文書改ざんを命じられ自死した赤木俊夫さんの妻・雅子さんにその思いを伺ったり、木村花さんのお母様響子さんに誹謗中傷について対談したり、過去にいじめにあった著名人の方に、どんないじめを受けたかお話していただいたり YouTubeでしている。

それは自助グループの考えに近いかもしれない。自分だけじゃなくて、同じ思いをもっている人がいるんだ。決して、いじめも自殺も美化してはいけない。むしろ、なくなった方がいいことだ。だがしかし、今苦しんでいる人に届いてほしい。届けられるのは当事者がもつ言葉の強さだろう。その言葉を YouTubeで私は伝えていく。

今おきているニュースにとびつくだけではなく、そこにどんな生身の人間の心の動きがあるのか。それを捉えるのもジャーナリストの重要な役割だし、弱さを認められたジャーナリストは強いのではないかと最近考えている。

どんどん弱音をはいていく。決して私は生涯独身を貫く、世間とたたかう強い女性ではない。不器用で、傷つきやすく、それでも立ち上がってなんとかギリギリ頑張っている。そういう泥臭さを見せる著名人がもっといてもいいと思う。弱さを私はだしていきたい。

twitterでかいていたらあつくなったので、動画を撮影しました。
「自殺を考え、自助グループに通いだした。そして楽になった私が今伝えたいこと。」

https://youtu.be/Nn1PYrkRhTM

今は元気なのでご安心ください。


・赤木雅子「【森友】公文書の改ざんを命じられ自殺。遺書で告発した夫のために妻は闘う。」
https://youtu.be/M6o0D92ESRU


・青木さやかさん「自己肯定感が毒親でさがり、子どもを褒められず、生き直しを決意。」
https://youtu.be/TG9-plik1oM


・高知東生 父は任侠・母はその愛人。高校生の時に母が自殺。自殺遺族の苦悩を語る【高知東生】
https://youtu.be/eAExVKG0R3g


・#元いじめられっ子から今いじめられている君へ
https://www.youtube.com/watch?v=MNmHWkyfVSg&list=PLGIs2lskpIl1kYBQqTgOGBMe7Hl900JWD



#子どもにツケを回さない

持続可能な社会を作るため、頑張ります。

●無料オンラインイベント「 SDGsの始め方」
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※メディアの方へ
尚、自助グループで他の方がどんな話をしたかという取材に関しては一切答えません。もし、この記事を読まれた上で、そのような依頼があった場合は、不勉強だと思いますし、謝罪を求めます。場合によっては、公開させてもらいます。

視聴率がとれるからといって、著名人の自殺報道をメディアが行って、自傷行為を繰り返す人が増えたり、自死遺族を苦しめたりすることに怒りが湧いてきます。社会を良くするための報道が人を傷つけるのは本当にどうかと思います。もっと誠実にやりましょう。その影響力をいかして、たくさんの人を救いましょう。

基本的にすべての記事は無料でご覧いただけます。もし有益だと思っていただけたらサポートいただけますと幸いです。「笑いで世直し」するための活動費(イベント代、取材費等)として大切に使わせていただきます。