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【書評】江戸の都市力 地形と経済で読みとく

徳川家康の入府をきっかけに江戸は大発展を遂げた。
そこで鍵となったのは、「自然地形を活かしてコストと時間を最小限に抑えた城と都市づくりと、武家政権である江戸幕府の性格上、本拠地の防衛や安全保障に最大限の配慮がなされた点であった」。
本書では、徳川政権がつくり上げたハードとしての都市づくりとソフトとしての統治システムが完成していくプロセスが紹介されている。
また、最終章の第6章では、江戸の繁栄の「影の部分」として出現した都市問題に焦点をあて、貧困者の実態、セーフティネット、経済全体の底上げ等が描かれている。

本書の著者

鈴木浩三著「江戸の都市力 地形と経済で読みとく」
筑摩書房刊、2016年11月10日発行

著書の鈴木浩三氏は、1960年東京都出身で、中央大学法学部卒業後、筑波大学大学院ビジネス科学研究科企業科学専攻修了。博士(経営学)。経済史家。

本書の章構成

本書の章構成は以下のとおり。

第1章 家康以前
1 江戸の「都市がら」
2 古代・中世のアウトライン
3 太田道灌から家康へ

第2章 百万都市への道―自然地形を活かした防衛都市
1 家康入府直後の江戸
2 防衛の発想
3 江戸の天下普請
4 完成した城と町

第3章 成長の時代―城下町建設と貨幣経済
1 天下普請は公共投資
2 参勤交代で潤った江戸
3 都市づくりと貨幣経済の発達

第4章 幕府の体制固め―水運網と支配システム
1 水運で結ぶ多極型国土
2 支配システム完成の時代
3 明暦大火によって完成した百万都市の骨格

第5章 都市の管理システム―自治と市場のメカニズム
1 町奉行所と江戸の自治システム
2 貨幣経済がまきおこす構造変化
3 お金を制する者が天下を制する

第6章 都市問題とセーフティネット
1 都市階層の人々
2 江戸のセイフティネット
3 経済全体の底上げ


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