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青史探究

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街道と関連する都市にまつわるコラムを集めました。週二回の掲載を予定しています。
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#江戸の食文化

【歴史の風景】江戸のファストフードと技術革新

現代に生きる我々にとってのファストフードと言えば、「 ハンバーガー」、「フライドチキン」や「牛丼」、はたまた「たこ焼き」といったメニューが思い浮かぶかと思う(個人的には某店の「ナポリタン」も好きだが・・・)。 参考までに、現代の屋台とも言えるキッチンカーの最近の人気メニューは、「からあげ」、「クレープ」、「ピザ」、「ハンバーガー」、「カレー」だそうだ。 ところで、江戸時代にはファストフードは存在したのだろうか? 江戸の外食事情 江戸の町は、男性の比率が高い都市だったと言

【歴史小話】江戸の外食産業と蕎麦切屋

江戸の商家数 嘉永4年(1851年)の問屋再興令以降の諸問屋及び商工組合の連名簿である「諸問屋名前帳」に記載された総店舗数13,778軒あるという。 その中で、57万町人の日常生活を支えた「舂米屋」=「町の米屋」は21.2%の2,919軒に上り、「炭薪仲買」=「町の燃料屋」は26.9%の3,702軒に上る。 この、「舂米屋」と「炭薪仲買」で株仲間・諸組合に加盟する江戸の商家の58.1%を誇るとともに、江戸の町全体に店舗を行き渡らせ、57万町人の日常生活を支えるためのネットワ