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ロイロノートでバーチャル教室を実現!

グループワークをする際、ロイロノートの共有ノート機能を用いて「バーチャル教室」を作る手法を紹介します。生徒がグループ学習に取り組みやすくなったり、教員の机間指導がより効果的になることが期待できます。また、Microsoft Teamsのホワイトボード機能など、共同編集機能を用いた他のアプリでも応用可能です。
そもそもロイロノートの共有ノート機能について知りたい方は以下のページをお読みください。

①バーチャル教室のイメージ

以下の写真が実際の共有ノート上のバーチャル教室のイメージです。実際に「グループで理想の校則について英語で書こう」という言語活動を行った際に用いたものです。

上部中央(黒板) ・・・教員用シート(指示・例示で書き込む用)
上部右上(掲示物)・・・生徒が活動の際に参考にする用語集やヒントなど
下部(生徒)   ・・・生徒用ワークシート集をグループごとに配置

生徒は活動を行う際、自分のグループのワークシート集を拡大して使います。

この時、ワークシート集は実際の教室でのグループの配置に合わせて並べます。共有ノートはいわゆる「共同編集」のような機能ですから、グループワークの際は、グループの誰かが書き込めば、全員のノートに記入が反映されます。

②バーチャル教室の作り方のコツ

ワークシート集の作り方は基本的には一般的なロイロノート上でのカードの作り方と同じですが、「シンキングツール」のシートが比較的サイズが大きく、ワークシート集の”台紙”にはぴったりです。今回は無地のシートにカードを並べましたが、データチャートや情報分析チャートなどを使えば、活動や思考の流れがより分かりやすくなるでしょう。


また、グループの数だけワークシート集を用意するのは大変そうですが、1つ作ったら台紙ごと「複製」し、並べることですぐに作ることができますから、手間もかかりません。

③メリット

バーチャル教室のメリットは以下の通りです。
・グループ内で誰か1人が記入すれば全員に共有できる
 →一人一人自分のワークシートに書く手間が省かれ、思考に集中できる。
・教員が活動をリアルタイムで俯瞰できる
 →活動の進捗を把握しやすい。支援すべきグループを見つけやすい。
・教員が生徒のワークシートにリアルタイムで書き込める
 →活動と添削の同時進行が可能。
・視覚的にわかりやすい
 →ロイロ全般に言えるが、カードが視覚的にわかりやすいので、生徒は教員の指示や、取り組むべきことが理解しやすい。
・生徒は他のグループの活動を見ることができる
 →アイデアやヒントを共有できる。
・生徒が教員用のワークシートを見ることができる
 →指示を聞き逃したり、例を見たくなった際に教員用で確認できる。
・共有・発表しやすい
 
→プロダクトの共有をそのまま行える。ワークシート集の中に「コメントシート」を入れれば、そのまま他グループからのコメントもまとめられる。
・ワークシートの整理
 →教員がワークシートを紙で回収する必要がない。また、生徒が複数枚の
  ワークシートを整理する必要がない。

④デメリット

一方で、適切な指導やルールづくりも必要です。
・他グループのデータを誤って消す危険性
 →自グループ以外のワークシート集には触れないルールに。
・不適切な内容は書かせない
 →記述内容がリアルタイムで全体に共有されるため、注意が必要。
・最初は準備に時間がかかる
 →ICTの永遠の課題です…。

⑤まとめ

バーチャル教室はこれ自体が大きく学力向上に寄与したり、今後の学習活動のスタンダードになっていくもの…ではありません。ましてや、これがあるから教員は机間巡視をせず、教壇でタブレットを眺めていれば良いというものでもありません。 
 しかし、学習内容を視覚的に分かりやすくしたり、ワークシートに書き込む手間を減らしたりすることは、学習に苦手意識を持つ生徒がグループワークに取り組む支援になりますし、教員が全体を俯瞰しながら机間指導できることは、より適切な個別の支援を行うことに繋がります。
 ICTや教育用アプリの発展により、共有・共同編集などの機能は格段に便利になっています。授業の中でも効果的に使いこなしたいものです。

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