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ChatGPTを活用した新出語彙の指導


 最近、自身の英語コミュニケーションにおける新出語彙の指導に以下の様な問題を感じ、改良の必要性を感じていました。

  • 該当セクションを読むときにしか語彙の練習をしない→短期記憶止まり

  • 定着のための音読に用いる自作英文を作る負担大(生徒からは記憶に残りやすいという声もあるが…)

 そんな折、世間を騒がせているChat GPTと、とある書籍のからヒントをいただき、次回のレッスンから指導法を変えることにしました。指導方法と目的をまとめたので、改善点をぜひご教授いただきたいです。

①指導手順

新しく、以下の様なワークシートを作成しました。(使用している教科書はCROWN 1, Lesson 8  Not So Long Ago)

ワークシート

〜予習〜
①生徒は指定されたセクションの文章(ChatGPTによる作成)を読み、発問   
 に答える。単語の意味を覚えてくるよう伝える。

〜授業〜
②各セクションで「レッスンの新出語句全て」をフラッシュカード式で覚える(セクション1では初見なので、英語→日本語で提示後、各自覚える時間、その後日→英でテスト。セクション2以降は日→英でテスト、その後各自覚える時間にする。)
③ペアでクイズを出し合い、簡単なテスト
④ChatGPTによる文章のQAの答えと大雑把な意味をペアで確認
⑤ChatGPTによる文章のChorus Reading / Buzz Reading / 穴あき音読

②くり返えし学習の重要性

 先日、『効果的英語授業の設計ー理解・練習・繰り返しを重視して』を読ませていただきました。

 授業内での言語活動の重要性が叫ばれる昨今だからこそ、PPP(Presentation - Practice - Production)型の文法や語彙指導を行い、基礎を固める必要がある。そして最後に自由度の高い「使用(production)」の活動が重要である。という内容はややもすれば”見栄えのいい活動”しか考えていない自分にとって非常に勉強になりました。

 特に、語彙指導の章では佐藤先生の実際の指導をもとに「分散して繰り返す」指導法が述べられており、こちらを参考にさせていただきました。

 レッスンの全単語を一気に取り扱うのは生徒にとってハードルが高いですが、定期的にテスト、復習することで定着を目指します。
また、セクション2以降は、いきなり日本語を提示→英語を答えさせることから始めます。最初はおそらく生徒は単語が定着しておらず、声も出ないかもしれませんが、長期的な記憶の保持のために「テスト→復習」の手順を踏みたいと思います。

③Chat GPTによる英文の作成

 ワークシートの右側にはChat GPTで作成した文章を載せ、生徒に簡単な英問英答を課します。英文は、各セクションで登場する単語をできる限り含めるように、ChatGPTに指示しました。ただ、Chat GPTで作成した文章では少し長く、未習語も多かったため、最終的にはかなり手直しをしました。

Chat GPTで作成
手直しした文章(比較用)

 手直しが必要とはいえ、自分でイチから考えるのに比べて、より多くの単語を文章に盛り込むことができ、作成にかかる時間もはるかに短いです。この文章の読解を予習課題とし、授業で音読をする目的は以下の通りです。

  • 文脈の中で単語を覚えてほしい。教科書本文と併せて2度、文脈の中で単語に触れれば定着しやすいのでは。

  • 生徒に少しでも多く文章に触れてほしい。勤務校では生徒の読解量不足を課題と感じている。

  • 音読を通じてアクセントやチャンクの切れ目を意識してほしい

 また、文章の長さは「10分で余裕でできる量」を意識しています。もちろん、家庭学習で長い文章をじっくり読んでほしい思いもありますが、「手軽に毎日英語に触れる」ことも大切かと思います。10分でできる量=休み時間でできる量です。生徒が「時間無いから友達の写そう!」で課題をスキップするより「10分あればできるから授業の前にパパッとやろ」と軽い気持ちででも課題に向かって欲しいと思っています。思い通りに生徒は動くのか…。ドキドキです(笑)

④今後の課題

今後の課題、改善点としては以下のことを考えています。

  • 口頭だけでなく、書くテストも行うべきか。

  • Chat  GPTが作成した文は誤り、不自然な点もあった。精査が必要。

  • 文章の読解は課しているが、「語彙定着のための練習」は課せていない。アプリや小テストなども活用して、家庭での練習を促したい。

  • 他の先生と共有していない。文を共有すれば、定期テストにも加えることができ、生徒が文章を理解・記憶することを促せるのでは。

生徒が定着を図るには根気が必要、覚えておけ!で丸投げしたくなる時もある、そんな語彙指導ですが、うまく生徒のモチベーションを引き出し、繰り返し学習の機会を確保することで、効果的な語彙指導ができるよう、試行錯誤を繰り返したいと思います。

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