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【接続詞は実は利他的】 感想:『文章は接続詞で決まる』 石黒圭

はじめに

この本を私なりにまとめると

接続詞は、自らの文章/理論を構成するために重要な要素である一方、読む人にとっては後続の文章や展開を想像させ、文章を読みやすくする機能をもっている。

ということなんだと思います。

感想

前に読んだ「Kindle出版の教科書」で紹介されていた本です。
接続詞。
大切ですよね、文章を展開していくために必須ではないでしょうか。

そういえば私も論文を書くときに、
「論理を組み立てる接続詞」
というwebサイトをよく利用していました。


本の著者は一橋大学の言語社会研究科の准教授なのですって。
接続詞に特化したマニアックな本です。

一気にこの本を書き上げたそうですよ。
それだけ著者の好きが詰まった本です。
淡々と書いてあるように見えますが、読んでいくと著者の 好き が至る所に滲み出ています。

その接続詞について、以下のように述べています。

『接続詞が、文章を人に理解してもらおうとするとき、その印象を決定づけるものだからです。』

文章は接続詞で決まる

『接続詞は、先行文脈と後続文脈の関係を限定することによって、連続する分の解釈を狭め、理解しやすくします』

文章は接続詞で決まる

あぁだから重要なのでしょうね。
接続詞は自分が文章を整理するために役立ちます。
それだけでなく、他人が文章を理解するためにも役に立つのです。

利己的と利他的を兼ね備えた言葉。
それが接続詞だと言えそうです。
私そういうの好みです笑

具体例を少し。

「私はnoteで文章を書くのが好きです。なぜなら」・・・
「私はnoteで文章を書くのが好きです。しかし」・・・
「私はnoteで文章を書くのが好きです。さらに」・・・

なんとなく接続詞のあとに続きそうな文脈って想像できますよね。
これこそが、接続詞の重要な効果なのでしょう。


そして、著者は研究者。
面白い研究を紹介していました。

『手元にある資料で文頭の接続詞の頻度について上位5位までをジャンル別に上げると
新聞では しかし、まだ、だが、一方、さらに
小説では しかし、そして、それで、だが、でも
講義では で、それから、そして、つまり、だから
です。』

文章は接続詞で決まる 一部改変

本当にこういうことをよく調べるなと思います。
研究者のこういう深掘りしていく姿勢は本当に尊敬します。
私は大好きです。

ですが、なぜ私はそう思うのでしょうか?
データを収集して集計することの大変さを少しは知っているから?

いや、たぶん違います。
その地道な作業を淡々とこなす姿勢の裏には、その人の「好き」が全開だからなんだと思います。
「好き」なものを「好き」だと言っている文章や表現 に触れることが私は好きなのでしょうね。


読了後の意識/行動の変化

接続詞の重要性をよく認識することができました。
とくに、文章全体をパーツ分けして接続詞でつないでいく という考え方は文章を書くには重要な方法です。

できるだけ接続詞を意識しながら文章を構成しようと思います。



基本情報

リンク:文章は接続詞で決まる
入手場所:Kindle Umlimited
読み始めた日:2024年4月24日
備考:


おわりに

接続詞にのみ焦点を当てた本。
本当にいろんな本がありますね。
面白いなぁ。


読んで頂き誠にありがとうございます!
これからもどうぞ宜しくお願い致します。

髙草木




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