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第1章 医局の構成員 『中堅放射線治療医が見てきた医局と資格 (仮)』の草案

過去の内容はこちらのマガジンに保管しています。


今日は第1章の続き。医局を構成する人々について話します。

本文はここから。


 判決文では、『医局の最高責任者は教授であり、その下で医局長が実務的な運営を 行っている。』と述べられていました。
 医局に所属する構成員のトップに君臨するのが教授です。そして、実務管理は医局長が行います。最終的な決定権は全て教授が持っています。会社に例えるなら社長みたいなものでしょうか。

 そして、教授を頂点に、准教授、講師、助教の順に医局員が並びます。群馬大学では助教までが常勤扱いです。これらの役職には人数制限がありますから、その下に医員や大学院生、研修医が名を連ねます。

 これに対して、医局長は役割の名称です。医局長は、医局のナンバー2である准教授が担当することもあります。群馬大学放射線科では比較的若い助教の先生が担当しています。医局長の要件は特に定めがありませんから、各医局の方針に従って任命されます。
 その他、外来医長や病棟医長といった役職名がありますが、こちらも役割を示すもので、医局での序列を示す名称ではありません。

 さて、私が大学で働いていたのは専門医を取る前だったので、医員という下っ端医局員でした。非常勤扱いだったので、給与は日当です。この文章を書いていて思い出しましたが、週4.5勤務だったのに、週4日までしか日当をもらっていませんでした。おそらく労働管理上の問題だったと思われますが、今や給料が支払われないことのほうが問題になりそうですね。

 医局運営に関する最終的な決定権は教授が持っていますが、実務を担う医局長は大変な仕事です。医局長の仕事は多岐にわたるためです。人事の調整、医局員の意見の集約、医局組織の運営、同門会や医局会総会などの医局公式行事での司会進行、学会開催期間中の医局員向けの懇親会の設定、入局者の勧誘など、その業務は幅が広いです。

 これらは私が外から見ていた仕事なので、そのほかにも知らない業務があるかもしれません。医局長はプレイヤーでもあるため、医師の業務と並行して、医局の業務を行います。若い先生と教授の方針との板挟みにもなりそうです。
 こうして改めて書いてみると、なんと大変そうな仕事でしょうか。私がのんきに医局員でいられるのも、医局運営に尽力している医局長の先生のおかげでもありますね。ありがたいことです。


 ここまで、医局の機能と構成員について確認してきました。だんだんと、医局の形が見えてきたのではないでしょうか。

 では、この医局に対して、研修医の先生たちはどう考えているのでしょうか?

(800字)


ちょっと短いのですが、キリがいいので今日はここまで。
次回は医局に入ろうと思っている人の割合、そしてその理由を考えてみようと思います。


読んでいただきありがとうございました。

髙草木



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