ゼブラフィッシュの特殊な視野が、Googleストリートビューを拡張する
イノカチームでは、市場調査の一環として、海外の魚にまつわる最新研究を日々調査し、チーム内で共有しています。
今回は、「魚の視覚」に関する論文を紹介します。
研究用の魚「ゼブラフィッシュ」
さて、今回のメインターゲットとなる魚は
「ゼブラフィッシュ」
です。
アクアリストには馴染みがないかもしれない、この魚。
彼らは、主に研究でよく対象とされる魚です。
哺乳類でいうと「ラット」のような立ち位置ですね。
非常に生命力が強く、飼育がしやすいので、研究対象としてメダカと並び使われています。
ゼブラフィッシュはUVを使って世界を視ていた
今回の論文は、このゼブラフィッシュの「視野」がテーマになっています。
ゼブラフィッシュって、自分の周囲360度を視ているんですが、彼らは白黒のシルエットで、なんとなくしか把握していません。
しかし、それにも関わらず、透明なプランクトンを見つけることができるのです。
不思議におもった研究者が調査をしたところ、
彼らは、見える色の光だけではなく、UVの光を使うことで、周りのプランクトンなどを視ているということがわかりました。
つまり、人間には見えないようなUV光がみえることにより、人間には透明に見えるプランクトンの位置を把握することができるのです。
UV光が、Googleストリートビューを進化させる。
そして、なにより面白いことは、
この研究は人類を進化させてくれる可能性がある、ということです。
いままで、Googleストリートビューでは360度カメラを使うことで、世界中の道路の3dデータを作っていました。
ですが、データの取得や計算処理を最適化をしていくことで、より効率よく、より正確に3dデータを作成できるはずです。
そこで登場するのが本研究です。
ゼブラフィッシュは、生き延びるために独自の進化を遂げ、周りの環境を、UV光を使って効率よく正確に把握できるようになりました。
その研究結果を、Googleストリートビューに活かせる可能性があります。
つまり、自然の創意工夫を真似し、採用することで、Googleストリートビューの3d計測技術をさらに高めていくことができるのです。
魚の研究には、人類が進化するためのヒントがたくさん眠っている。
今回紹介したゼブラフィッシュの事例以外にも、クラゲの研究から、蛍光タンパク質が発見され医療技術が進化したり、深海魚の研究から新しい化粧品が開発されたりと、
「魚の研究をした結果、人を進化させた」事例は、まだまだあります。
イノカチームでは、もっともっと水生生物の研究を促進することで、人の進化に貢献していきたいと考えています。
アクアリストは、もっと魚の研究に貢献できる。
ただ、いくら魚の研究が重要だと言っても、その担い手が少なく、魚の研究が盛んに行われているとは言えない状態です。
そこで重要な役割を担うのが、魚が大好きで常日頃からその魚を観察しているアクアリストです。
アクアリストの日々の試行錯誤を、何らかの形で研究者たちに伝えることで、水生生物をめぐる研究を促進できないか。そう考えています。
アクアリストにとっても、魚の研究が進むことで、いままで繁殖できなかった魚を繁殖させられたり、もっと楽に飼育できたり、たくさん良いことが起きるはずです。
アクアリストと研究者。
この両者をつなげることで、もっともっと、人にも魚にもいい世界がつくれる。
そう確信しています。