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サンゴは地球温暖化に耐える可能性が高い

イノカチームでは、様々な生き物についての研究を調査し、記事にしています。
特にサンゴは、マリンアクアリウムに欠かせない存在であるため、注意深く調べています。

本日はその中から、

サンゴは地球温暖化に耐える可能性が高い

という研究に関して紹介したいと思います。

サンゴと褐虫藻は、恐竜が生きていた時代から共生していた

サンゴは自分の体内に、褐虫藻と呼ばれる生き物を飼い、彼らから光合成によるエネルギーをもらうことで生きています。一方で褐虫藻は、サンゴが排出した二酸化炭素を使い光合成をしています。
(詳しくはこちら 

)

過去の研究では、これらの共生は5000-6000万年前に始まったと考えられていました。

しかし今回、新たにこの研究で、1億6000万年前から共生を始めていたことがわかったのです。

では、どのようにして明らかになったのか?

それは、褐虫藻を徹底的に分類すべく、遺伝子解析したのです。

褐虫藻は数千種類存在する。

いままで、褐虫藻は、クレードと呼ばれる9種類程度の分類しかされていませんでした。さらに、褐虫藻は全て同じ属に所属していました。

しかし今回、DNA配列調査、系統発生解析、ゲノム比較などの最新の遺伝子調査により、なんと、褐虫藻は15属にまたがり数千種類も存在することが明らかになったのです。

そして何より面白いのが、この数千種類の褐虫藻には、環境の変化に柔軟に対応できる種類がいるということです。

よくよく考えると1億6000万年も生き延びてきたのだから、環境の変化に強いサンゴがいても不思議ではありませんよね。

注目される褐虫藻

以前も紹介しましたが、サンゴ単体ではなく、徐々に褐虫藻とサンゴのペアを研究する流れが主流となってきています。

より褐虫藻の研究が進むことによって、さらに環境の変化に強い褐虫藻が見つかり、そのメカニズムが明らかにされることによって、
白化で失われた美しい景色を再び取り戻せるかもしれません。

またアクアリウムにおいても、強い褐虫藻などが添加剤として販売される時代がやってくると思います。

それにしても、体内に褐虫藻を取り込んで生きているサンゴという生き物は非常に興味深いですよね。

いつか、この共生のメカニズムが完璧に明らかになれば、ヒトの体に褐虫藻を住まわせ、人間も光合成でエネルギーを得られるようになる、という時代がくるのでは?と一人で妄想していました。笑

と、思って調べてみたら非常に面白いものをみつけました。

イギリスを拠点として活動している、マイケル・バートンとミチコ・ニッタという二人のアーティストが作り出したものです。

アート作品ですが、非常におもしろいですね。

ちなみに「人の光合成」の実現可能性に関してですが、ミトコンドリアを少し改変すれば、光合成できるようになるかも?という議論もあるそうです。

サンゴ研究が、このような議論を加速させていくかもしれませんね。


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