vol.2 自分軸を見つける―「場所取り」という戦略
序章で「40歳定年」という視点を手に入れた私は、次に「自分がどのような軸を持つべきか」を考え始めました。しかしその答えは、すぐに見つかるものではありませんでした。むしろ、自分が会社の中でどんな立ち位置にいるのかを見つめ直す過程で、焦りやモヤモヤが募るばかり…
そんな中、出会ったのが藤原和博さんの 『どう生きる?──人生戦略としての「場所取り」の教科書』 でした。この本に書かれていた「場所取り」という考え方が、私に新たな視点を与えてくれたのです。
気づきのきっかけ
藤原さんは「人生を成功させるためには、自分の居場所をどこに作るかが重要だ」と説いています。この一文に触れたとき、私はハッとしました。
「会社の中で自分の価値を発揮できているのだろうか?」
「自分が居心地よいと感じる場所を見つける努力をしているだろうか?」
そんな疑問が湧き上がり、自分の立ち位置を改めて見つめ直すことになったのです。
これまでの私は、「会社の指示を忠実にこなす、使い勝手のよい社員」として評価されることに甘んじていました。その立場は安定しているように見えますが、私の中には次第に主体性や挑戦心の不足を感じるようになりました。さらに、会社内に「自己主導でキャリアを構築するモデルケース」が見当たらないことが、自分の焦りを強める一因となっていました。
「今のままの働き方で、自分が本当に目指す理想に近づけるのか?」
「そもそも自分が目指したいものは何なのか?」
これらの問いが私の中で膨らみ、自分の軸を明確にする必要性を痛感するようになりました。
行動の最初の一歩
モヤモヤを解消するために、「場所取り」の視点で自分のキャリアを見直すことから始めました。そして浮かび上がったのが、「ひとつの会社だけに依存しないキャリア形成」の可能性でした。会社における評価や役割だけでなく、会社の枠を超えて自分の価値を発揮できる場所を作る必要があると感じたのです。
この考えを基に行動を起こし始めたとき、キャリアコンサルタントという国家資格に出会いました。これまでキャリア相談サービスを受けた際に、モヤモヤが晴れる体験をしたことがあったため、「次は自分がそのサービスを提供する側になりたい」と思うようになったのです。
養成講座への参加を決め、学びを進める中で新たなスキルと視点を得ることができました。そして資格取得に至ったとき、私は自分の生き方に一つの軸を見出したと感じました。
それは、「会社の外でも価値を発揮できるスキルと視点を持つ」という軸です。この気づきが、私にとって大きな転換点となりました。
次回への展望と問い
「自分軸を見つける」ためには、自分がどこで価値を発揮したいのかを考えることが大切です。あなたにとって、それは会社内でしょうか?それとも会社外でしょうか?
次回は、この「場所取り」の考えを基に、私が実践した具体的な方法や視点をさらに深掘りしていきます。あなた自身のキャリア形成に少しでも役立つヒントをお届けできればと思います。
つづきはこちら ≫ vol.3 「場所取り」を実行に移す―キャリアの大三角形と社内自営業者の視点