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母を想う③さだまさしのキセキ

旅立った母の大好きだったアーティストは1も2もなく
さだまさしさんでした。

2人で何度もコンサートに足を運びました。
その時だけは、苦手な運転もいとわず、意気揚々と出かけたものです。
CDも書籍も何でも買いそろえました。
「さださんのためのお金はおしまない」と母は笑って言っていましたっけ。

コンサートが終わり、駐車場から出るとき、毎回交わした会話を思い出します。「さださんのコンサートのあとは、みんな『お先にどうぞ』って譲り合うよね~」 「優しい気持ちになって帰るよね~」

「それをかけましょう」



棺にいれてあげようとCDを持っていたわたしにそう言ってくれたのは葬儀場の方でした。
「全曲リピートでいいですか」と聞かれ、悲しみでいっぱいだったわたしでしたが一瞬、冷静さを取り戻し・・・
❝さだまさしベスト❞でしたので、素敵な曲なのですが、この場所では・・・
という曲もあり・・・          さださん、ごめんなさい、、、


大好きな曲はたくさんありましたが、
「優しさがあふれた歌だよね」
と母とコンサート帰りの車中で歌った曲をエンドレスでかけてもらいました。

    しあわせについて

しあわせですか  しあわせですかあなた今
何よりそれが何より一番気がかり
みんなみんなしあわせになれたらいいのに
悲しみなんてすべてなくなればいいのに


さださんの声にのせて母が語りかけてくれているように感じました。
自己満足だったかも知れません。 
『おばあちゃん、喜んでいるね』と言ってくれた娘。その優しさがまた
こころに沁みました。

母が逝ってから2週間あまり経った6月23日.❝今夜も生でさだまさし❞の放送がありました。
録画をしましたが、しばらくは観る気持ちになれませんでした。
49日の法要が終わった頃にようやく観ようという気持ちになりました。
そこで流れた一曲目がなんと

      しあわせについて

沖縄慰霊の日だからということでしたが、わたしは、母からのプレゼントのように感じ、涙が溢れました。

母が旅立ってから初めて聴くさださんの一曲目が   しあわせについて

キセキを感じました。
母の生きて来た軌跡が奇跡を呼びました。

ああ、 奇跡~大きな愛のように~ も大好きだったね、
弱っていく筋力を守るために 奇跡 を聴きながら家の中をぐるぐる
歩いたね。


今、父は枕元にさださんの燦然會のCDボックスをおいています。
ライバルのCDです・・・
でもね、忘れる病気になっていた母は、奇跡を聴きながら歩いている頃には、あんなに好きだったさださんのことをすっかり忘れていて、大好きな人は、1も2もなくおじいちゃん(父)でした。













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