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一人旅はもうできないけれど

一人旅が好きだった。

身軽に見たことがない場所に旅に出る。ハプニングもむしろ大歓迎。そんな旅が好きだった。

それが今や、私の旅の最少催行人員は二人。

小さなあなたとの旅はいつも大荷物。大きなリュックの中には、おむつにミルクにおくるみ。暑い時のために日傘、雨が降った時のために傘。いつも笑顔でいてほしいからお気に入りのおもちゃも忘れずに。

パッセンジャーベルトをぎゅっと締めて、小さなあなたの体が私のお腹にピタッとくっつく。それから、ぱんぱんに膨らんだリュックを背負って、あなたが小さな手をぎゅっと握りしめ、脚をパタパタさせたら、それが出発の合図。

さあ、行こう。行先は近くの公園。飛行時間はおよそ10分の予定です。

非日常を残していたカメラロールにはタイトルのない日常があふれていく。どの写真も真ん中にいるのは、小さなあなた。見慣れた公園、変わらない毎日。そのはずなのに、なぜか、世界はきらきらと輝いている。

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