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新しいキャリアを築くための土台

今すぐ転職を考えていない人のための キャリア戦略』という本を読みました。「キャリア」というと就職活動の時に考えるものというイメージをもっている人がまだいるようですが、そうではないんだよというメッセージもタイトルに込められていると思います。この本の中で「キャリア資本」という言葉が出てきます。平たく言えば、今後のキャリアに役立つ資本ということです。これは、仕事で得られるスキルや勉強して得た資格などにとどまらず、趣味やプライベートでの活動などでも蓄えていくことができます。

私事ですが、今年、所持資格「ナヴィゲーション・インストラクター」の更新講習・審査がありました。これは、登山者やトレイルランナーなど、山でアウトドア活動をする人たちに地図読みを指導する資格です。私も長年登山をしていて、アドベンチャーレースなどにも参戦する中で読図の楽しさと必要性を痛感し、道迷い遭難防止にも貢献したいと思うようになりました。ひと通り模擬講習を終え、マイスターの方からインストラクションのスキルがとても向上しているとの講評をいただきました。色々と話す中で、実際のナヴィゲーション指導以外に、キャリアコンサルタントとしてのカウンセリングスキルや(認知・社会・教育)心理学の勉強、人財開発担当としての面談や施策を通して、人にものを伝えるための知識・スキルが向上しているのだと感じました。

人にものを伝えるためには、まず人の話を聞き、問いかけ、スキルレベルなどその人の状況を把握する必要があります。その上で、伝わりやすそうな言葉や情報を選び、反応を伺いながらコミュニケーションをとっていくことが大切です。そのようなスキルは、仕事だけでなく個人的な学習や趣味の場でも繋がっていて相乗効果をもたらしているのだなと思いました。ひとつのスキルでも、さまざまな状況で違った角度から学び研ぎ澄ましていくことができ、仕事以外の越境的な場をもつことで「人間関係資本」も培われていきます。こうしたことの積み重ねが新しいキャリアを築くための土台になっていくのかもしれません。

現在、働き方の多様化で転職だけでなく副/複業の機会も増え、定年後を含めた人生のキャリアを日頃から考えていく必要に迫られています。一つの企業に属していても、社会情勢の変化で所属部署が頻繁になくなったり併合されたりするため、会社員の方でもしっかりとキャリアを見据えておく必要があるのではないでしょうか。

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