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記事一覧
騎手の総合力を示す連対率、“3割騎手”の手綱さばきに注目
メジャーリーグで3割打者が消えてしまうかもしれない、という記事を読んだ。今や150キロの速球を投げる投手はゴロゴロいて、そこにどう変化するか予測ができない変化球をちりばめられてしまうと、打者がそれを打つのは容易ではない。私も高校まで野球をやっていたから、手も足も出ないという打者の気持ちがよく分かる。さらに打球の方向性などを統計的に研究し、守備の位置を変えるという戦略も加わり、各打者は丸裸にされてし
もっとみる休養明けの馬の取捨は、その休養への入り方も考慮すべし
競走馬はレースの間に休養を挟むことで心身を回復させる。トンネルの入口から入り、出口から出るように、休養に入り、休養を終えてレースに出走することを繰り返す。言葉にすると簡単に思えるが、実はこの休養に入ることに伴う問題は複雑であり、関係者たちが頭を悩ませるところでもある。それは休養中の過ごし方が休養明けの成績に直結するからであり、さらにさかのぼって考えてみると、休養への入り方が休養中の過ごし方、そして
もっとみる凡走か巻き返しか…連勝がストップした馬の次走は危険
連勝をしてきた馬が、突如としてあっけなく負けてしまうことがある。その理由は2つあって、ひとつは勝利を重ねていくうちに相手が強くなってくるから、もうひとつは体調を維持することが難しいからである。そんな中でも、4連勝、5連勝できる稀な馬もいる。高い能力を秘めていることの証明であり、真似しようと思ってもできない芸当だろう。こうして何連勝もできる馬は間違いなく強い。
しかし、そんな強い馬でも、一度連勝が
非根幹距離のレースはマイナー種牡馬の子を狙え
競馬には、根幹距離と非根幹距離という概念がある。根幹距離とはマイル(約1600m)を中心として、1200m、2000m、2400m、3200mと、400mごとに区切られる、世界のレース体系において中心的かつ重要な競走が行なわれる距離のことである。非根幹距離とは、それ以外の距離、1000m、1400m、1800m、2200m、2500m、3000mと考えてよい。
そして俗にいう、根幹距離では走るが
9月は夏競馬に出走していた逃げ・先行馬に妙味あり
夏競馬が終わり、ようやく中央に開催が戻ってきた。もう来月にはG1シリーズが始まるのだから、サラブレッドたちも忙しい。この9月いう時期は、秋のG1シリーズに向かうにあたっての過渡期にあたるシーズンである。そこで、期間限定ではあるが、9月競馬の攻略法について考えてみたい。
9月競馬で大切なポイントは2つある。ひとつは、休み明けの馬よりも夏競馬を使ってきた馬を狙うということだ。この時期はまだまだ暑く、
馬の走りのリズムは出走レースの傾向に合致しているか?
競走馬にはリズムがある。どれぐらいのスピードで走るか、という体内時計と言い換えてもよい。気性が前向きな馬は他馬よりも前へ前へと、のんびりとした性格の馬はゆったりと走るように、それぞれの馬が持って生まれたリズムがある。一方では、調教で教え込まれたり、競馬のレースを経験するうちに自然と身に付いてしまうリズムもある。それらのリズムが相まって、競走馬のリズム(体内時計)は刻々と変化してゆく。
競走馬の後
8歳でG1制覇も…キンシャサノキセキの本質は早熟馬
スプリンターはピークが短い、と第1回の連載で書いた。スプリンターにとって絶好調の期間を2シーズン保つことはなかなか難しく、まして1年以上となるとさらに難しい。しかし、キンシャサノキセキだけは例外中の例外、稀有な存在であった。2005年にデビューしたキンシャサノキセキは、5戦目にしてNHKマイルCに出走し、僅差の3着に好走するや、それ以降、5年以上にもわたってトップレベルのスプリント競走を走り続けた
もっとみる極めてシンプル、競走馬は全成績で4つのタイプに分けられる。
私は昔、地方競馬巡りをしていた時期があり、初めて見る、横の関係も縦の関係も全く分からない馬たちのレースを予想する際に、全成績を見るというテクニックを重宝していた。全成績とは、馬柱の一番下にある、【1着・2着・3着・それ以外】という、その馬のこれまでの戦績を表した数字列のことである。全成績を見るだけで、その馬の大まかなタイプや強さを把握することができるのである。
全成績の数字列は大きく4つのタイプ
厳しい長距離GⅠでの経験を糧として生かせる馬を見極めろ
3000m以上の長距離G1レースを使うことには、メリットとデメリットが同居する。メリットは、レースに行って騎手の指示に忠実に従い我慢強く走ることができるようになること。一方のデメリットは、肉体的にも精神的にもダメージを負ってしまうことである。メリットとデメリットのどちらが大きいかはそれぞれの馬の状況によって異なるが、特に若駒の馬体ができていない時期にはデメリットの方が大きい。たとえば、3歳時に菊花
もっとみる調教、馬具、不慣れなレース出走で刺激を受け覚醒した馬を狙え。
人間がそうであるように、馬も慣れてしまう生き物である。同じような環境で、同じようなことを繰り返していると、次第に慣れてきてしまう。慣れることには良い面もあるが、悪い面もある。競走馬が競馬に慣れてしまうと、調教に行くのを嫌がったり、すぐに厩舎に返ろうとしたり、レースに行って本気で走らずに全力を出し切らなくなってしまう。毎回、手(脚?)を抜かずに、入れ込んで燃え尽きてしまう馬もそれはそれで大変だが、慣
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