治郎丸敬之@ROUNDERS

「ROUNDERS」編集長。単なる馬券検討ではなく、競馬の持つ様々な魅力を広く伝えてい…

治郎丸敬之@ROUNDERS

「ROUNDERS」編集長。単なる馬券検討ではなく、競馬の持つ様々な魅力を広く伝えていきます。好きな馬はシンコウラブリイ、ヒシアマゾン、ブラックホーク。週刊Gallopにて「超・馬券のヒント」、一口馬主DB、キャロットクラブ会報誌にて連載中。著書に「馬体は語る」(主婦の友社)

マガジン

  • 「超・馬券のヒント」vol.6

    週刊Gallopにて連載中の「超・馬券のヒント」を全文掲載。馬券に関するテーマに沿って本命を導く、新しい予想型コラム。

  • 「超・馬券のヒント」vol.5

    週刊Gallopにて連載中の「超・馬券のヒント」を全文掲載。馬券に関するテーマに沿って本命を導く、新しい予想型コラム。

  • 「超・馬券のヒント」vol.2

    週刊Gallopにて連載中の「超・馬券のヒント」を全文掲載。馬券に関するテーマに沿って本命を導く、新しい予想型コラム。

  • 「超・馬券のヒント」vol.3

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  • 「超・馬券のヒント」vol.4

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最近の記事

走るフォームを教え込んで強い馬をつくる

4月に上梓した単行本「馬体は語る—最高に走るサラブレッドの見つけ方」を読んだと、新規開業の厩舎で働く厩務員から連絡をいただいた。その方は、「ROUNDERS」のファンでもあり、手紙でのやり取りを経て、今回の単行本の発売を機に初めてお話をすることができた。その会話の中で、「vol.1で書かれていた走るフォームはとても参考になりました。実は、新しい厩舎では走るフォームに力を入れているのですよ」と言われ、嬉しく思うと共に胸が熱くなった。7年前に調教について書いたことが、競馬ファンだ

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    • 天皇賞・春では長距離適性と多様性のある馬を狙え

      天皇賞・春を3200mのレースとして行う意味はあるのか。世界的にスピードが重視されている流れの中、3000mを超える距離のG1レースを勝つことに価値はあるのかという問いがある。私はあると考えているし、天皇賞・春を勝つ馬こそが、真の名馬であるという想いがある。 私が競馬を始めたのは、オグリキャップがラストランの有馬記念で奇跡の復活を遂げて引退した年であり、そのあたりの時期から競馬をたしなんできた競馬ファンは、私の気持ちを少しは分かっていただけるのではないか。メジロマックイーン

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      • 勝つためには、勝つ気で乗らない(賭けない)こと

        力はあるのに勝ち切れない馬がいる。勝てないレベルは様々だが、たとえばナイスネイチャやステイゴールドなど、特にG1レースにおいて惜しいところで勝利を逃がしてしまうような馬たちには、自分を重ねてつい応援してしまう競馬ファンも多い。しかし、その馬に関わる人たち(馬主や調教師、ジョッキーなど)は頭を抱えたくなるだろうし、馬券を勝った人々もそう。もちろん馬にとっても、引退後のことを考えると死活問題となる。 だからこそ、あらゆる手を使って勝とうとするのだが、そのことで人間が空回りして、

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        • トラックバイアスを利用して予想する

          開催当初は内外均一であった馬場も、レースが行われ、距離ロスをしないように各馬が少しでも内側のコースを走ろうとすると、どうしても内側の馬場、特に3~4コーナーの部分の芝が傷んできてしまう。そのため、馬場の保護を目的として仮柵による馬場の使い分けをしているが、この仮柵の移動によって、どうしても馬場の内と外で大きな有利不利が生まれてしまうことがある。 たとえば、移動柵を最大9m幅で動かせる東京競馬場に比べて、中山競馬場は最大でも6m幅でしか動かせない。中山競馬場は仮柵を移動するこ

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        走るフォームを教え込んで強い馬をつくる

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        • 「超・馬券のヒント」vol.6
          10本
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        • 「超・馬券のヒント」vol.5
          10本
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        • 「超・馬券のヒント」vol.4
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        • 「超・馬券のヒント」vol.3
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        • 「超・馬券のヒント」vol.2
          10本
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        • 「超・馬券のヒント」vol.1
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        記事

          最初から強さを信じ続ける方が馬券は儲かる

          最初は強く思えなかった馬でも、後々に本当の強さが分かってくる馬がいる。他馬を千切って勝ったり、激しい叩き合いを制したりすることもなく、レースの内容を見る限りにおいて、強さが伝わってこない馬。速いタイムで勝利したり、厳しいラップを刻んで押し切ったりすることもなく、数字的にもその強さが証明されていない馬。様々なタイプはあっても、つまりは私がその強さを最初から見極めることができなかった、私の想像を超えた強さを秘めていた馬ということである。 ダイワスカーレットという牝馬はまさにそう

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          最初から強さを信じ続ける方が馬券は儲かる

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          凱旋門賞帰りの馬の狙い方

          私が競馬を始めた頃、日本馬が海外に遠征することはビッグイベントであり、少し大げさに言うと命がけの挑戦であった。凱旋門賞を含む、ヨーロッパの大きなレースに挑戦したものの全く歯が立たず、衰弱してしまったスピードシンボリに寄り添い、飛行機に同乗して帰国した野平祐二騎手のエピソードが個人的には大好きだ。そのような先人がいてくれたおかげで現在の日本競馬の隆盛があり、海外の大レースに挑戦する日本馬の姿は日常の風景となった。 とはいえ、海外遠征が気軽で簡単になったわけではない。インターネ

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          アドマイヤムーンの血の偉大さに賭ける

          ここ最近は、日高の牧場を訪れ、競馬関係者の方々からお話をきかせていただく機会が増えている。つい先日も、酷寒の北海道にて、生産者の方々と競馬を熱く語っていると、アドマイヤムーンの話題になった。ある生産者がアドマイヤムーンの種牡馬としての素晴らしさ説いたとき、ちょうど私もアドマイヤムーンのことを考えていたところで、奇遇と言うべきか、思考の縁というものもあるのだと感じた。 彼が示してくれたのは、「産駒1頭あたりの平均獲得賞金」という数字であった。週刊「Gallop」1月14日号に

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          種牡馬の年齢によって、産駒に伝わる能力は異なる

          種牡馬の年齢によって、産駒に伝わる能力は異なってくる。若いときにはスピードや気性の勝った産駒を誕生させ、年齢を重ねるにつれて、スタミナやパワーのある産駒が出てくる傾向がある。かつてはノーザンテーストやパーソロンがそうであったように、種牡馬入りして最初の頃は、芝のマイル路線で活躍する産駒が多かったのにもかかわらず、いつの間にか、長距離戦線やダートを得意とする産駒が増えてくるということだ。 それは父としても、母の父としても同じことが当てはまる。芝における瞬発力勝負を得意としてい

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          競馬は複雑なゲームである(最終回)

          競馬が複雑であるのは、計算不可能性という理由もある。計算不可能性とは、たとえば打ち出されたパチンコの玉がどこの穴に入るか予測することは不可能であるという問題。パチンコ玉の描く軌跡の複雑さは、それが打ち出される時の速さと方向に原因がある。ほんの少しの速さ、方向の違いによって、釘に当たるか当たらないか、玉同士がぶつかるかぶつからないかが変化してしまい、打ち出された玉が穴に入るころまでには、無限の変化が繰り返されることになる。たとえ同じ穴に入った玉でも、そこに至るまでの過程(軌跡)

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          弥生賞は勝ってほしくないレースである!?

          今年の弥生賞は最強の弥生賞であるとの呼び声が高い。出走予定メンバーを眺めてみると、朝日杯フューチュリティSを勝ったダノンプレミアム、ホープフルS2着馬のジャンダルム、東京スポーツ杯2歳Sを勝ったワグネリアン、シクラメンSを圧勝したオブセッションなど、素質溢れる走りを見せている良血馬たちが勢揃い。よくもまあ集まったものだ、というのが正直な感想であり、競馬ファンにとっては見逃せない一戦となりそうだ。 にもかかわらず、弥生賞は勝ってもらいたくないレースであると私は考えている。なん

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          競馬は複雑なゲームである(その2)

          皆さんは、子供時代にプラモデルを作ったことがあるだろうか?私は、小学生の時にガンダムのプラモデルが好きで、よく作っていた記憶がある。作るプロセスは、部品を接着するという単純な作業の積み重ねであったが、それでも小学生の私にとっては、設計図どおりに組み立てる作業はかなり複雑なものに思われた。 部品の量が増え、種類も増えると、ますます複雑になってゆく。設計図にしても、部分図のパターンが増えると、全体図としては小学生の私を圧倒するほどの大きさになった。たとえ単純な部品の接着の繰り返

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          牝系の勢いに気づき、馬券に活かす

          私がサラブレッドの牝系の奥深さや重要性に気づかされたのは、スペシャルウィークという名馬を通してであった。スペシャルウィークの牝系を辿っていくと、4代母にシラオキ、9代母にフロリースカップという、日本競馬の礎を築いた牝馬たちに行き着く。ビューチフルドリーマー系、アストニシメント系、フラストレート系、ヘレンサーフ系など、いわゆる小岩井牝系と呼ばれる牝系の代表のひとつであるフロリースカップ系である。現代の競馬の世界は完全にボーダレス化し、外国から超一流の種牡馬や繁殖牝馬が続々と輸入

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          未来に先回りして予想する(2018年牡馬クラシック番付)

          昨年のちょうど今頃、日本ダービーに先回りして考えるとして、牡馬クラシック戦線の番付を行った。クラシックで活躍するような馬は年内にデビューしていることがほとんどだから、年が明けた現時点で、今年のクラシックを占うことは十分可能である。未来に先回りしてみることで、クラシック戦線の全体像から各馬の力関係、陣営の思惑までがつぶさに見えてくることがあるのだ。 恥ずかしながらも、まずは昨年の番付を振り返ってみたい。 横綱 ムーヴザワールド 大関 レイデオロ 関脇 サトノアレス 小結 キ

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          母系からの影響を考えて、ディープインパクト産駒は狙う

          今年度からディープインパクトの種付け料が4000万円に引き上げられた。父のサンデーサイレンスの全盛期を超えたばかりか、米国のタピットや欧州のフランケルを超え、世界最高の種付け料を誇る種牡馬となったのだ。にもかかわらず、いや、だからこそ、英オークスやクイーンエリザベス2世Sを勝ったマインディングや英愛の1000ギニーを制覇したウインターが、ディープインパクトと種付けをするために海を渡ってくるという。かつては種牡馬の墓場とまで言われた日本競馬が、世界のホースマンたちにとって垂涎の

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          ダメージが残るレースを走った馬に気をつけろ

          昨年末の有馬記念で有終の美を飾ったキタサンブラックは、まぎれもない名馬であった。長い手肢を最大限に使った大きなストライドで逃げ・先行し、どこまで走ってもスタミナが尽きることはない。若駒の頃はヒョロッと頼りなく見えた馬体も、古馬になってから大きく成長し、サラブレッドとしての理想的な姿へと完成された。人間の指示どおりに動ける賢さがあり、常にリラックスして余計な力を使わない。ハードな調教に耐え、苛酷なレースでも最後まであきらめずに走り切った。 美点を挙げていけばキリがないが、キタ

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          競馬は複雑なゲームである(その1)

          昨年末、競馬好きの若者と出会った。彼は膨大なデータを駆使し、結論を導き出す。世間一般の人たちから見ると、単なる競馬オタクにすぎないのだろうが、競馬という予想ゲームが大好きなことは伝わってきた。かつての私がそうであったように、彼はまるでこれから競馬に起こるすべてを知っているかのように振る舞い、そこにも私はシンパシーを感じた。ほんとうは一歩先の未来など誰にも分からないし、彼も僕も予想した馬券がほとんど当たらないにもかかわらずだ。 私はちょっと意地悪な質問をしてみた。「馬券で儲け

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