エヴェラウドはなぜ輝けなかったのか?
タイトルを誓った今年も無冠に終わってしまった鹿島。
今季の最も大きな誤算のひとつがエヴェラウドであることに異論はないだろう。
実はターゲットマンよりフィニッシャー
4月に戦線離脱してから最後までコンディションが上がらなかったという見方もあるが、最大の要因はやはり彼の「使い方」にあると思う。
昨シーズンのエヴェラウドのゴールを見返してみると、対空時間の長いクロスからのヘッドや、相手DFを引きちぎってのミドルなど、「スペースがあり、前を向けている」シーンが多い。
また、ゴール前でスッとスペースに入り込んでフリーで受けたりこぼれ球を押し込むパターンも多く、自ら時間とスペースを作り出すより、味方に作ってもらった時間とスペースを使うのが上手いことに気付く。
その状況を作り出せていたのは、ストーミング風味でカオスからのカウンターを狙いにしていたザーゴ前監督のサッカーと、2トップでクサビの受け手とマーカーを分け持ってくれていた上田綺世の存在が大きい。
敵陣のバランスが崩れてスペースがあり、目の前の敵と個で勝負できるシーンが多ければ、エヴェラウドは意外とあるスピードと強靭なフィジカルを活かして決定機を量産できる。
監督交代で消えてしまったストロング
翻って今季、ザーゴの後を継いだ相馬監督が志向したのは、1トップ+トップ下で極端にサイドを圧縮したコンパクトなサッカー。
つまり昨季とは反対に、基本的にスペースがない状態で、なおかつ複数のDFを背負いながら1トップでポスト役を担わなければならなくなってしまった。
エヴェラウドはフィジカルは強いが、ボールキープに長けた足技を持つポストプレイヤーではない。
後ろを向いてボールを受ければ、強みであるゴールに向かう迫力は出せず、懸命にポストをこなそうとするほどに、その強すぎるフィジカルの印象でファールを取られてしまう。
それではフラストレーションも溜まるし調子が上がらないのも無理はない。
来季エヴェラウドはどうなる?
来季の新監督には、鹿島初のヨーロッパ出身監督となるレネ・ヴァイラー氏が就任することが決まった。
ストーブリーグに入り、エヴェラウドには移籍の噂も出てきているが、昨季リーグ2位のゴールを叩き出してベストイレブンに選ばれた力に疑いはない。
エヴェラウドも使い方次第で再び輝くと思えるだけに、レネ・ヴァイラー監督がどんなサッカーを見せてくれるのかとあわせて動向を見守りたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?