もはや顧客はコントロールできないという実験
マーケターが使っていた手法に「おとり効果」があります。
こんな実験があります。
被験者を2グループにわけ、Aグループにはカメラ2台(2万円と3万円)から1台を、Bグループは1台(5万円)を追加し3台から1台を選ばせる実験をしました。
結果、Bの方が3万円のカメラに人気が集まりました。5万円のカメラがおとりになり、3万円のカメラに誘導した結果です。
この手法は実際の店舗でよく使われてきました。
でもいまの消費者は購入の際にスマホでチェックします。
この方法は有効なのでしょうか?実際に実験した人がいます。
ある研究者は、オンラインショッピングと同様に様々な価格情報や消費者レビューを見せた上で、同じ実験をしました。するとおとり効果は跡形もなく消えました。考えてみれば当たり前ですよね。
(これはイタマール・サイモンソンとエマニュエル・ローゼンの著書「ウソはバレる」で紹介されていた実験です)
現代の消費者は、マーケターが思うように簡単に操られません。
消費者の脳が進化したからはなく、テクノロジー進化のためです。
私たちマーケターは、「消費者はもはやコントロールできない」という事実を受け入れた上で、マーケティングを考えるべきなのだと思います。
https://takahisanagai.com/20200602-2