毎日餌をもらう七面鳥は「人間って、親切だなぁ。毎日餌をくれる」と思っています。しかし生後1000日経った感謝祭の前日、七面鳥は首を切られて焼き鳥になります。 哲学者バートランド・ラッセルの作と言われている寓話です。 今日までの出来事で、ある程度は未来を予測できます。 しかし予測の正確さは、実際には思っているよりもやや少ないのです。そのちょっとした違いは、意外と大きな違いになります。 最近、想定外な出来事が増えてきました。 現在のコロナ禍はまさに想定外です。福島第一
7月8日は、月イチの朝活・永井塾。Zoomで行いました。 今回も全国からのご参加をいただき、有り難うございます。 テーマは「アル・ライズのポジショニング戦略、ブランド論、広告/PR論」でした。 「ポジショニング」はマーケティングの基本概念の1つです。 1969年にアル・ライズとジャック・トラウトが提唱しました。 彼らは、ポジショニングとは「消費者の脳内に、商品を位置づけること」であるとシンプルに定義。アル・ライズはその後、この考え方をブランド論や広告/PR論に展開
コロナで在宅ワークを続ける中で、今後どのようになるかを識者の方々が語っていますが、その指摘の多くは40年前にこの本で語られています。 「第三の波」(アルビン・トフラー著、1980年出版) トフラーは未来学者です。本書はインターネット普及の15年前に出版された本です。当時私は大学生。貪るように読みました。在宅ワークの未来については、第16章「エレクトロニクス住宅(コテージ)」で描かれています。 –(以下、本書 p.264-269より引用)— やがて何百万もの人たちが
弊社には、営業の電話が頻繁にかかってきます。 この日も、営業の電話がかかってきました。 「御社の営業をご支援します。私どもに新規顧客開拓のお手伝いをさせてください」 前々からこのような営業の電話には興味があったので、勇気を出して尋ねてみました。 「あの、ちょっといいでしょうか?質問があるのですが…」 「はい?」 「御社では、普段はこんなスタイルで営業なさってるのでしょうか?」 「え?…いいえ。弊社では別に営業部隊がいます。(笑)」 「具体的にどのような営業スタイル
明日の夜は、日経クロストレンド読者限定のオンライン講演会。 「事業創造型マーケターの時代がやってくる」と題してお話しします。講演会ではこんなお話しをしたいと思っています。もしよろしければ、ご意見をいただけると嬉しく思います。 新型コロナでしがらみが吹き飛び、新しいビジネスの種が生まれています。 こんな状況で、部下にこんなことを言うマネージャーもいるのではないでしょうか? 「この状況でどうするか、何か考えてみてくれ」 ちょっと残念なマネージャーです。 本当はこう言っ
先週、ある企業様で法人セールス研修を行いました。 現場のB2Bセールスで活躍するリーダーが多く参加されました。 研修に先立って配信したオンデマンド講義で、こんな話をしました。 ---(ここから)-- B2B営業の世界では、顧客の課題を理解して解決策を提供する「ソリューション営業」が主流でした。このソリューション営業はもはや限界です。 顧客の課題は様々。課題把握には時間も手間もかかるし、それに付き合う顧客にとっても、負担です。 私は前職で人材育成部長の時、ソリュ
新型コロナでデジタル・シフトが一気に進んだことは、私たちが実感していることだと思います。 私の場合、昨年オンライン会議での打ち合わせは限定したお客様のみで、1年間で数回程度。 今年3月以降は、全ての打ち合わせが一気にオンラインに変わりました。 米マイクロソフトの4月29日決算発表でサティア・ナデラCEOも、「2年分のデジタル変革が2カ月で起きた」と述べています。 実際にMicrosoft Teamsの利用者は5カ月前と比べて4倍に増えました。 オンライン会議だけではあ
昨日6月3日は第40回の朝活・永井塾。今回はZoomで行いました。全国から大勢のご参加をいただきました。有り難うございます。 テーマは「サブスクとカスタマー・サクセス」でした。今回は下記をテキストに使いながら、サブスクとカスタマーサクセスについて学んでいきました。 「カスタマーサクセス」 ニック・メータほか著 「サブスクリプション」 ティエン・ツォ著 今回は朝活永井塾としては、3ヶ月ぶりにZoomを使って活発な質疑応答ができ、充実した会になりました。有り難うござい
マーケターが使っていた手法に「おとり効果」があります。 こんな実験があります。 被験者を2グループにわけ、Aグループにはカメラ2台(2万円と3万円)から1台を、Bグループは1台(5万円)を追加し3台から1台を選ばせる実験をしました。 結果、Bの方が3万円のカメラに人気が集まりました。5万円のカメラがおとりになり、3万円のカメラに誘導した結果です。 この手法は実際の店舗でよく使われてきました。 でもいまの消費者は購入の際にスマホでチェックします。 この方法は有効なのでし
顧客目線に立つのは、本当に難しいですね。 顧客目線で徹底的に考え抜き顧客インタビューを何度も行って商品や広告メッセージを創り上げ、「これだけ考え抜いたから絶対大丈夫」と思ったのに、顧客がまったく反応しない、ということは実によくあります。 「刺さる広告」(レックス・ブリッグス&グレッグ・スチュアート著)に、その理由を端的に述べている一文があります。 マーケターは家族や恋人と過ごすよりも自分のブランドと過ごす時間のほうが長い。だが、消費者がそのブランドについて考えるの
先週5月13日は、月イチの朝活永井塾。テーマは「サービス・イノベーション 〜 製造業のサービス化」でした。 多くのものづくり企業は「製品だけではあっという間にコモディティ化してしまう。もう限界だ」と考えています。しかし製造業はサービス化により大きく成長できます。 たとえばGEは、ジェットエンジンの稼働状況の監視サービスが大きなビジネスになっています。 AQUA(旧三洋電機)の洗濯機も、クラウドTOTランドリーシステムを開発して、コインランドリーのフランチャイズ展開をし
世界的な価格戦略の第一人者であるヘルマン・サイモンとハーバード・ビジネススクールのロバート・J・ドーラン教授は、名著「価格戦略論」の最終章で、日本企業の経営者とのこんな経験を紹介しています。 1980年代後半、経営者セミナーの参加者に「製造コスト50ドルで顧客に1000ドルの節約を実現する製品に、いくらの値付けするか」という課題を与えました。 欧州経営者は600ドル、米国経営者は500ドルと答えました。 しかし日本の経営者の答えは、100ドル。 日本の経営者はその
一時期、こう言われていました。 「新聞業界は死ぬ。オンラインニュースは無料だ。現代人はコンテンツにお金を払わない」 現実には、2019年に日経電子版の購読数は70万人を超えました。かく言う私も、数年前から日経は電子版で読んでいます。紙の新聞は嵩張るので配達は止めました。 考えてみれば「オンラインは無料、紙は有料」というのは変ですよね。 また無料オンラインニュースは広告で稼ぎますが、「広告にうんざり」という人が多いのも現実。 もともと新聞は、紙の時代から売上の過半が
「ガラガラポンッ」という音を立てて世の中が急速に変化しています。マーケターはどうすべきなのでしょうか? セオドア・レビットは「マーケティングの針路」と名付けられたハーバード・ビジネス・レビュー2001年11月号のインタビューで、次のように語っています。 —(以下、引用)— 「変化と対応こそ生存する唯一の方法」なのです。 「何をすべきか」の答えは、マネージャーの頭の中や社内に存在するのではなく、外部環境によって決まるのです。 ウディ・アレンは「成功の90%は適切な場所
新型コロナで、人と人の接触がすっかり少なくなりました。 この状況は続きそうです。 こんな中で、2007年に出版された「スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?」を再読中です。 改めて思ったのは、人と人との関わりの大切さ。 スタバは広告を出しません。 広告を出すお金があれば、店舗で顧客がより心地よく過ごせることに投資したり、無料のテイスティングサービスで新商品を知ってもらうことに投資します。店舗での顧客と従業員のふれあいが何より
新型コロナの影響で、多くのビジネスが止まっています。 一方で、こんな中でも新たな需要が次々と生まれています。 ごく一例ですが、在宅勤務の急増で、遠隔会議サービス、自宅の仕事環境グレードアップ、運動不足解消のための運動、といった需要が急拡大しています。 この需要の周辺で、たとえばリモートでエクササイズをレッスンしたり、Zoom活用の営業方法のコンサルティング、といった新規事業の種も生まれています。 急速に成長し誰も勝者がいない新規事業は、ビッグチャンス。 いまこの新