【なぐり書きの日記】2023.09.19 Twitter 勉強法
勉強の経過を記録していこうと思う。それもTwitter──”X”とはまだ呼びなれないし、聞きなれないので、しばらくはこう呼ぶ──にである。Twitter のスマホアプリには便利な機能があり、特定のアカウント内の投稿に範囲を限定してキーワード検索ができるというものだ。だから、記法を統一すれば自分が何をいつ勉強したかが簡単にわかるということである。
衆人の目にさらすことで、自分の勉強の進捗に対してなあなあで済ませることができなくなるのは効果的だろうという目論見でこれをするわけだが、じゃあどんなふうに何を勉強するのか。それを明確化しないとあまり意味がないので、簡潔に述べておく。
教材はもっぱらmedu4 とクエスチョン・バンク(以下”QB”と表記)の一周目問題である。今俺はmedu4 の講義動画を続々を観ている。配布されているpdf に書き込みながらだが、これを一度しただけでは到底記憶はおぼつかない(それで大丈夫な人も世の中にはいるようだが、俺はそうではない)。なので、この書き込んだpdf を印刷したうえで、「印刷pdf をななめ読みする / 印刷pdf に赤の暗記チェックペンを入れる / medu4 アプリの一問一答を全問正解するまでやる / pdf にチェックペンを入れたところを下敷きで隠して覚える / QB の一周目問題で対応した診療科をやる」である。
これらのうち、QB 以外は表にして進捗を管理できる。なんだかだいぶまどろっこしい勉強法をしているようだが、可視化とシステム化、そして均質化をしなくては勉強がはかどらないたちなので、仕方がない。均質な勉強をはかどらせるためには、可視化とシステム化は必須である。これが、数学みたいに思考力を強く要するような科目なら、可視化・システム化・均質化のどれも、思考力を委縮させてしまって逆効果かもしれない。しかしなんだかんだ言って医師国家試験に向けての勉強はまず何よりも暗記である。思考力よりも暗記のウエイトが大きいことは、問題の傾向が変化しつつある現在でもおそらく否定できないだろう。
さて、今日は皮膚科に行くついでに本屋に行ってきた。買ったのは一冊だが、そのうち買う本のリストに入れたものはそれなりにたくさんある。その所感を述べたい。(ここから有料コンテンツです)
買ったのは大江健三郎『叫び声』(講談社文芸文庫)である。語り口に惹かれての購入だが、新潮文庫版の『死者の奢り・飼育』の解説でいわれている「篤学な安岡章太郎を思わせる」作風はこの作品では大江作品の中でも特に強いようだ。ではその安岡章太郎との類似点とは何かといえば、”トホホ感”ではないだろうか。おそらく、両者の作品をどちらも読んだことのある方なら納得してくれると思う。
そして大江はその”トホホ感”を、遠慮なく理知的な言葉で切り込む形で余すところなく開示してくれる。その気前の良さがいい。トホホ感がそこに発生する仕組み、その雰囲気、それらが屈託と充足という相反するものを同時にもたらす生活の感、それらがよく実現されていると思う。
そのうえ、これは俺の直感なのだが、大江はこの時点からファンタジーへの飛行を志向していたのではないだろうか。俺にはこの語り口が、日常を脱した世界を描こうという意欲をはらんだものに感じられる。その飛躍感がいい。一応述べておくと、そのファンタジーが実際の日常を照射するものであるかどうか、という点については俺は関心を持たない。そういう相対化が好きな人もいるようだが、俺はやはりファンタジーを楽しみたい次第である。
以前の記事と同じく、今回も、そのうち買うことに決めた本とその印象を述べる。
越境する認知科学 10 なぜ壁のシミが顔に見えるのか
デザインのため。人間の顔を思わせるか思わせないかの境界にあるビジュアルは前々から構想していたところなので、そのための手引きとして。あまり情報量の多い本ではないが、重要なポイントを押さえるためのものとして参照したい。同じようなテーマを扱った本も他にないしね。
アンチ・オイディプス草稿
こういう断片的な構想を参照することで、その人が何を原動力としていたのか、もともとの欲求はなんであったのかを読み解けると思う。あの複雑怪奇な『アンチ・オイディプス』の由来がどういうものであったのか知れば、きっと『アンチ・オイディプス』自体も読みやすくなるだろう。
漢字使い分け辞典
漢字表記に特化した類語辞典。同じ読みで似た意味の漢字表記はたくさんあるが、それがどういう意味で異なるのか、文章を書いていると調べる必要はある。毎回それぞれの字を漢和辞典で引くのも面倒なのだが、この本は同音類義語のグループでくくって紹介してくれるので、知らなかった表記も同時に選択肢として検討することができるため、非常に助かる。
四字漢語辞典
上の『漢字使い分け辞典』と同じ著者による本。四字熟語ってときどき、その4つの字がどういう意味で使われているのかわからないことが多く、特に執筆中にその四字熟語を使う際には気になってしまうこともしばしばである。それの説明があるとだいぶ腑に落ちるだろう。嬉しい本。ところで、この本から見つけたわけではないが、”魯魚章草”という四字熟語の意味は「それぞれの字画が似通っているので、文字を書き誤るや間違いやすい漢字のこと」だそうです。なんだか化かされたような気分だ。
基礎から学ぶ神経生物学
基礎的で既知のことも多いのだが、特にこの本の後半では、自分の中で理解があいまいになっている箇所も多く、ちゃんと整理するのには嬉しい。
よくわかる認知発達とその支援 第2版
発達心理学についてはあまり知らないので、こういうガイドブックが欲しかった。比較的最近改訂されているのも嬉しいポイント。
知の生態学の冒険J・J・ギブソンの継承 3 自己と他者
以前に読んで感銘を受けた『越境する認知科学 1 脳のなかの自己と他者』とは異なり、哲学方面からのアプローチがほとんど。まあ、そういうのも気になるので一応。どういうことが考えられていたんだろう。それにしても東大出版はギブソンが好きだな。この本のシリーズ以外にもギブソンシリーズがいっぱいあるけど、中の人の好み?
ドイツ語冠詞・格変化の強化書 練習問題930
ドイツ語をやるうえで一番間違えやすいのは冠詞の活用だろう。間違いなく。そこをピンポイントで鍛えてくれるありがたい本。
問題を解くことで学ぶベクトル解析 楽しみながら解くことを意識して
ベクトル解析って具体的な例がないと何をしてるのかよくわからん感じがある。公式は導出できてもそれが何をしているのか独学ではわかりにくいところを、よく示してくれるだけでなく練習問題でわからせてくれるのは嬉しい。
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