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「自分たちがいる場所をどうすればより良い場所にできるのか」と問い続けること

書籍「組織を芯からアジャイルにする」第1章で心に残ったフレーズとして、私が一番思いがあるのは「自分たちがいる場所をどうすればより良い場所にできるのか」という冒頭の問いです。この問いに対する自分自身の思いや考えをこの記事では書いてみたいと思います。

この記事は以下のマガジンへの寄稿です。

自分たちがいる場所をどう見ているか?

自分たちがいる場所を良くするには、まず自分たちがいる場所をあらためて見つめ直して、今現在どういう場所であるのかを知らなくてはいけません。自分は良い場所と思っているかもしれないけど、他の人はどうでしょうか(逆もありえますね!)。そういった個人個人の思いというものは見えるようになっているのでしょうか。率直にそういった話をするためには心理的安全性が必要です。率直にそれが話せないのであれば、そういう状態なのだとまず知らなくてはいけません。

心理的な話もそうですが、物理的な環境もそうです。オフィスや開発環境やミーティングはどうでしょうか。働き方、仕事のプロセスも同じですね。バリューストリームマップなどを用いて可視化するのも良いスタートです。自分たちがもちうる情報で可能な限りの透明性をもって自分たちがいる場所を見てみて、知るところから始めましょう。

より良い場所とは何か?

現状が見えてきて、色々知ると、それらが本来はどうあってほしいかという思いが生まれます。「本当はこうだったらいいのになぁ」という願いはあらゆる部分にあるはずです。すべてが完璧なことなんてそうそうないはず。大事なのは、こうありたいという「より良い」の「良さ」は人によって異なるのです。オフィスワークとリモートワークが良い例で、どちらにもメリット・デメリットがあります。どっちが良いかは、各自の立場によって変わってくるはずです。

なので、これも組織にとって「より良い」とは何かを対話を通して形作っていかなくてはなりません。自分たちの中にビジョンやパーパスなどの柱があればそれは決めていけるでしょう。それがなければもしかしたらその柱をまず持つところから進めるといいかもしれません。

どうすれば良い場所に近づけるのか?

より良い場所が見えてきたなら、次はどうすればその良い場所に自分たちが少しでも近づいていけるのかを考えられるようになります。目的地が見えて共有されることで、徒歩で行くのか車で行くのか船で行くのか、どれが最善かをチームで話し合いながら決めることができます。色々な進め方を試す機会にもなるはずですし、話すことで試す前に自信を持てたり、逆にその方法を取らないほうがいいというアドバイスをもらえるかもしれません。

これらを問い続けることも探索と適応になる

冒頭の問い「自分たちがいる場所をどうすればより良い場所にできるのか」を「自分たちがいる場所をどう見ているか」と「より良い場所とは何か」「どうすれば良い場所に近づけるのか?」の3つの問いに分けて考えました。この3つの問いは、ふりかえり、むきなおり、そしてそこから生まれる行動に他なりません。

これをすべて1からやり方を見つけて、進めていくことは大変ですし、どこを目指すべきかというゴールについて合意をとることも大変でしょう。そこにアジャイルがあるのです。進めていく方法論としても例えばスクラムがありますし、目指すべき状態としてアジャイルを目指すのです。これこそが「組織を芯からアジャイルにする」ということなのだと思っています。自分たちにとっての「より良い場所」を探索と適応を繰り返しながら芯にアジャイルを据えて進めていきます。そうすると、組織が芯になったアジャイルはあらゆる目的を達成するための能力があがるんじゃないかな、と思うのです。

今回は「第一章の心に残ったフレーズ」から選びましたが、実は私はこの書籍のタイトルである「組織を芯からアジャイルにする」が一番好きなのです。「正しいものを正しくつくる」も大好きなフレーズでしたが、銀の弾丸が存在しない中で、状況に合わせて自分たちで狙いに合わせた弾丸を作っていくんだという意思がこのシリーズの書籍のタイトルに込められていると感じています。

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