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“デイリースクラムをより良くする10のTIPS”のなぜを考える

こんにちは、@TakahiRoyteです。
“Don’t just do Agile, be Agile.”という言葉があるように、スクラムのイベントもただやれば良いというワケではなくて、その背後にある意図(Why)の部分を理解することが大切です。今回は形骸化しがちなデイリースクラムのTipsに対して、なぜそのTipsをやるべきかなのかを考えて見ました。Tipsは@ryuzeeさんのデイリースクラムをよりよくする10のTIPSから拝借してます。その原文は 10 Tips to Improve Your Daily Scrum です。

1. スクラムマスターは、スクラムボード(タスクボード)の隣に立たない。スクラムボードはチームのためのツールで、チームがスクラムボードを使うべきだ

【なぜ?】自己組織化のため。スクラムマスターはスクラムイベントのファシリテーションはするものの、リードするわけではない。開発チームが自分たちの所有するツールであるという意識付けの意味も込めて。

2. プロジェクトを妨げる項目の一覧を用意しよう。何かはっきりしないこと、必要な情報、待ち状態-これらすべてが妨害事項だ。「全ての妨害・障害はスクラムマスターによって24時間以内に解決される」という24時間ルールに従おう。もし24時間以内に対応できないなら、上層部に報告しよう。そうすれば会社がこれらの妨害の解決を助けてくれる

【なぜ?】スクラムチーム内における障害とそれらの状況の透明性を確保するため。スクラムマスターが対応できるものか、そうでないかが切り分けられ明確になっていることが大切。24時間ルールを設けることで障害をデイリースクラムで発言する価値が生まれ、障害を言いやすい環境になり心理的安全性も生まれる。

3. 常に時間通りに始めよう。組織のみなにデイリースクラムの開催について絶対はっきり伝えよう。部屋の外にデイリースクラムの情報を貼りだそう。そうすればみんな分かる。廊下に大きいスクラムカレンダーを貼りだそう。全てのミーティングでそれを提示しよう。そうすれば、みんなはすぐにそれを見るようになる。

【なぜ?】デイリースクラムをやる価値を理解しているなら、それを定着させるためにできることをやろうという話。後述のタイムボックスを守ろうという意味でも大切。

4. チームカレンダーを掲示しよう。またデイリースクラムの4つの質問が書かれたシートを掲示しよう。そうすればデイリースクラム中にチームに質問する必要がなくなる

【なぜ?】効率化や見える化のためと、スクラムマスターが指示しなくてもチームが動きやすい環境にするため。4つの質問の意図を理解していると、常日頃からそれを目にすることにより意識付けの効果が高まる。

5.ファシリテーションは十分に実施しよう。通常、あなたが思っている量は十分ではない。管理するな。やるべきことを命令するな

【なぜ?】デイリースクラムは4つの質問を答えることに専念するイベント。質問の回答から議論が始まることは多いが、それはデイリースクラム後にやるべきことのためそういったことを促す。

6. プロダクトオーナーや管理者等がデイリースクラムに口出しすることを許してはいけない。チームメンバーのみが話すことができる

【なぜ?】デイリースクラムは開発チームのイベントであり、スクラムマスターはファシリテーターでしかない。このルールはチームが自由に話せる心理的安全性を確保することにもなる。

7. チームメンバーにはあなたが解決した妨害・問題点を説明しよう!

【なぜ?】障害リストはチームからあがった懸念事項であるため、その状況についてチームは気にしている。障害が解決されることはチームの働きやすさに繋がるし、チームがサポートされているという安心感にもつながる。あとはスクラムマスターの仕事のチェックポイントとしても使える。

8. デイリースクラムのために、クッキーやチョコや何かを買おう

【なぜ?】チームが楽しい雰囲気でデイリースクラムを進められるように。朝会なら栄養補給されてることも集中するために大切。

9. 出席できないメンバーがいる場合は、居るメンバーが代わりをしよう。代わりをするメンバーはチームに対して欠席しているメンバーの状況を伝えなければならない

【なぜ?】これをワーキングアグリーメントに入れることでチームはお互いの状況を説明し合う必要が生まれる。結果、透明性につながる。

10. タイムボックスは厳密に守ろう。15分だ

【なぜ?】タイムボックスがあることで、時間内に最大限の効果を出すために力を発揮しやすくなる。議論の長期化を防ぎ、不要な拘束時間の発生を防ぐ。

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普段やっているイベントも「なぜこのイベントをやっているのだろう?」という意識をもって見直すと、改善ポイントが見つかったりします。また、やる意図をチーム全体が共有することでより効果的なイベントにもなります(インセプションデッキと同じですね)。
それでは良きアジャイル・ライフを。

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