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実録1on1:魅力と、知ることと、話しやすさの壁と

今日は同僚と1on1していて、チェックインでお互いの好きなアーティストのライブについての話をしていた。その中で、ファンとのエンゲージメントのあり方がコロナ禍で変わってきたというトピックから、結局のところどうすればお客さんや周りから見て「輝いている組織」にできるんだろうね?という話に移ろっていった。

魅力を感じてもらうには

人によって輝いて見えるモノや条件は変わってくる。ないものねだりのように、自分に足りていないものは隣の芝が青いように輝いて見えることもある。だが一方で自分と同じ素養を持っていたり、近しいことをしている人が輝いて見えたりもする。

この輝きというのは「魅力」とも言い換えられるが、話の中で「普遍的な魅力」と「独自の魅力」というものがあることに気づいた。普遍的な魅力は、黄金比だったり壮大な自然を見たときに多くの人が美しさを感じるような、人間として本能的に受け入れやすいもの。もう一方の独自の魅力というのは、経験や環境、個人の趣味嗜好から形作られるもの。人はこの2つの魅力の間で揺れながら物事に魅力を感じ、価値観を形成している。

同僚はわかりやすい例として、「一般的に上手いと言われるイラストレーターでも自分に刺さらないイラストっていうのは誰にでもある」という話をしてくれた。これが示すのは結局「何が刺さるのか」を知らないと、「刺さるもの」を提供できないというUXDデザインの普遍的な話だ。イラストレーターの場合で言えば、はじめからマスに届けるという意図というよりは、自分が魅力的と思う表現してそれが結果的に広範囲に広がったり広がらなかったりする。だがビジネスにおいてはそこは「誰かの好み」ではなく論理的な戦略が求められるわけで、その戦略を立てるためにはUXデザインが必要となることは理解しやすい。

そういう意味で、普遍的な魅力は一般的な原則で守りつつ、ユーザーを深掘りするような独自の魅力を追求することで、はじめて差別化ができるということなんだろう。

無知は罪なり、知は空虚なり、英知を持つもの英雄なり

「食わず嫌い」の経験は誰にでもあると思う。ただひょんなことから、その食わず嫌いしていたモノを知り、気になったり好きになったりしたことはないだろうか。私は最近で言えば格闘技を見ることがまさにそれだった。元々格闘技を見ることにほとんど興味がなかったが、筋トレのためにYoutubeを色々見てたらジークンドーというブルース・リーが作った武術・哲学の動画を見てその考え方に共感したことがあった。その関連動画から数珠つなぎでMMAやボクシングなども最近では見ている。

知らないから怖かったりするし、知らないから過剰に反応したりするし、知らないから相手の像を自分の都合の良いように解釈してしまう。これは共通理解の不足により生まれる分断がさまざまな文脈で生まれていることの説明にもなる。「無知は罪なり、知は空虚なり、英知を持つもの英雄なり」というソクラテスの言葉がある。「無知は罪なり」とは知らないことを開き直ったり知ろうとしないこと。「知は空虚なり」とは知識があるだけで行動が伴っていないと意味がないこと。「英知を持つもの英雄なり」とは行動しそれを支える知識がある人が優れた人ということ。まず知ろうとして知ってもらおうと行動することもまた重要なのだ。

そういう意味で、先程の魅力の話にまた繋がるが、その無知の溝を越えて分断を繋ぐような行動には本当に価値があると改めて思った。1on1の同僚も普段スクラムマスターとして働いている傍らで組織内のインナーコミュニケーション活動もしていて、それがどれだけ意義のある活動なのかは知っておいてほしかった(知っていたとしても)。

話しやすさの壁を壊す、共通点づくり

同僚のインナーコミュニケーションの活動は、そもそも認知してもらうために入り口間口をどれだけ広くしてあげられるかという課題に取り組んでいる。それと同時に、受け取り手に「知ろうとすること」の重要性にも共感してもらうことでその課題解決にも繋がる。そのためにも働きかけが必要になる。

その中で、「相手」への働きかけやすさにも濃淡があることに気づいた。話のトピックや相手の属性によっても変わる。なぜその濃淡、つまり、話しかけやすさと話しかけにくさの壁があるのか。今回の話では、それは接点の多さと共通の目標を持つという2つが重要なのではという仮説がでてきた。

お互いに知らない、接点がゼロだったり重なり合う接点が少ないと話をしづらい。それが同期だったり、同じアイドルが好きだったり、同じ部署だったり、そういった接点の種類や太さが共感に繋がり、仕事がしやすくなる。ただ、それだけだと説明つかないパターンへの解として、共通の目標の存在があがった。共通の目標を持つことで、共感というより協力的な態度を取る方向に動きやすくなる。

同僚から受けたインスピレーションを元に作成

思うに、①から②、③から④は平行して実施でき、そのどちらも良いコミュニケーションを取るためにアプローチしたほうが良いんだろうなと思う。そしてこういう話を1on1でするのって、まさしくこの上の図のプロセスを進めているように感じて、嬉しいとともにシンプルに楽しい。

※1on1の同僚には記事の作成と公開について確認しています

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