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《エコトーン》(2022年度)

エコトーン

2022年には7月に東京都板橋サブテレニアンのパフォーマンスイベント「オフトウキョウ2022」で「エコトーンと東京脱出」、12月にはそれをさらにつめていく形で「エコトーン(#2)」というパフォーマンス作品を発表しました。

鑑賞者に「居場所はどこ?」というテーマを提示し、私が用意したオブジェを動かしてもらいました。それを通じ「なぜそこにものを動かしたのか」というテーマで話し合いを重ね、自分や他者を見つめていく作品です。

『エコトーンと東京脱出』(2022年7月)
『エコトーンと東京脱出』(2022年7月)

エコトーンとは

「河原、湿原、干潟など。陸域と水域、森林と草原といった異なる2つのコミュニティの間にできる場所。多様な生物が存在」

私自身、東京から富山に引っ越した経験のことを思いつつ制作した作品です。人は成長していく中で、周りの環境が入れ替わり、自分も変化していく、ときには自分の居場所を作るために何かを壊していく。引っ越しという題材はそうした周りと自分の変化を大きく感じる瞬間でした。

それを「エコトーン」という異なるものがぶつかり合い、変化していく環境に例えました。

まず最初に私が、ものを好き勝手に動かし、次に鑑賞者に動かしてもらいました。中には「こう見せると面白い」と、ものをぜんぜん違う所にもっていく人もいれば、「子どもの散らかった部屋みたい」と片付けようとする人もいました。最後は、「自分の居場所はどこ?」と空間の中で、自分が行きたい所に行ってもらいました。

こうして出来上がっていた環境に対し、7月の公演で講評を下さったアーティストさんは「植民地化の感覚を引き起こす」とのコメントの中で述べていました。一見、無意識な選択でも人は必要な場所を自分の周りに作り上げており、それは植民地化の構造に似たものがあるということです。

7月には、終わった後も来ていた方で、「東京」についてを中心に語り合いました。
11月には、7 月に比べ、フライパンやスポンジなどをオブジェにするなどより生活感のあるものに設定しました。「片づけ」と「植民地化」の関係などの話が盛り上がったのが印象的です。

既に2回このパフォーマンスを行っていますが、来て下さった方の反応・コメントを振り返りつつまだまだ発展させていきたいと考えております。

『エコトーン(#2)』(2022年7月)


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