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僕らはなぜ「卒業」という言葉を使いたがるのか? 【222/200】
この違和感は何なのだろう?
退職して仕事を変えたり、所属したグループから抜けたりする際に、「卒業します」と表現することをよく見かける。
正直、しっくり来ない。
そもそも「卒業」って何なのか?
学校の全課程を修了してその学校の所属から外れること、というのが最もポピュラーな定義だと思う。
ただ、どうやら学業以外の何らかの「業」を終えること、ある段階や時期を通り過ぎることも意味するようだ。
であるならば、いろんなケースで「卒業します」と言ってもおかしくはないように思える。
でも、このしっくり来ない感は何なのか。
たぶん、僕はこう考えている
「卒業」と言えるかどうかは、自分以外の周りの人たちから「卒業に値する」と認められる必要があるのではないか。「卒業」は、周りの人が決めることなのではないか、と。
結局のところ、会社を辞めるのは「退職」であり、グループを抜けるのは「脱退」でしかない。
その事実を「卒業」と表現するかどうかは、周りの人に委ねた方が良いのではないか。
「卒業」という言葉には、全課程を修了した晴れやかさがある。
周りの人たちに労われ、祝福され、次のステージへ向かう自分を応援してもらえるようなイメージがある。
事実に対して、ポジティブな意味を付加した言い換え語だろう。
似たような言葉に「勇退」がある。
周りから功績を認められ、惜しまれながら、自ら職を辞すること。
この言葉も「辞職」や「退職」という事実に対して、周囲がポジティブな意味を付加した言い換え語だと思う。
ただ「卒業」と違って、自分から「勇退しました」と言っている人を見たことがない。
(僕が見たことないだけで、そういう方もいるのかもしれないけれど)
周りの人たちから「勇退」と認められ、その言葉を贈られるケースがほとんどだと思う。
「卒業」を自称する人はいつか、「勇退」も自称するのだろうか?
さすがにそれはない、のだとすると、その違いは何なのだろうか?
時代の流れとともに言葉の使われ方も変わってゆく。
「卒業」の使われ方も、この30年くらいで自称するケースが増えたのだと思う。
そのうち「勇退」も自称する言葉になるのかもしれない。
使う言葉は、その人の考え方を表す。
僕はいつか、大学卒業以来の「卒業」を迎えることはあるのだろうか。
長年所属している今の会社を辞めるとき、おそらく僕は「卒業する」とは言わないだろう。
周りの誰かがそう言ってくれたら嬉しくは思うだろうけれど、自分自身、わざわざ意味を付加して言い換える必要はないと思う。
小学校5年生のAちゃん卒業式
先日、小学生の娘のクラスで、「Aちゃん卒業式」というクラス行事があった。5年生のクラスでの卒業式。
Aちゃんは、外国籍で年齢的には日本の中学2年生にあたる。
日本語がまだ話せないことから、家族と行政と相談の上、小学校5年生に編入した。
この1年間で、Aちゃんは日本語がかなり話せるようになったそうだ。
「すごくがんばっていた」と娘も言う。
この4月から、実年齢にあった中学校に編入するとのこと。
先生とクラスのみんなが、Aちゃんの編入および転校を「卒業」と表現したことに、僕はとても心を動かされた。
そこには、Aちゃんの1年間の努力と成果に対する承認と敬意が込められている。
日本語が少し話せるようになったとはいえ、中学校への編入は学業の面でも、人間関係の面でも、相当なチャレンジであるはずだ。
そこには、Aちゃんのこれからのチャレンジに対する心からの応援が込められている。
Aちゃんは確かに「卒業した」のだ。
卒業、おめでとう
この時期、タイムラインにたくさんの門出の挨拶が流れてくる。
「退職のご挨拶」という言葉で、控えめに、職を変えたことを報告している知人がいた。
彼がやってきた仕事を、僕は知っている。
決して容易ではない仕事、社会的に非常に意義のある仕事。
彼はそんな仕事に、身を削りながら、誠実に取り組んできた。
テキストだけのシンプルな投稿に、たくさんの「いいね」と労いのコメントが寄せられている。
本当におつかれさまでした、と言いたい。
そして、こう伝えたい。
「卒業、おめでとう」
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■ ヤマカワタカヒロのWork
<音楽活動>
《New Release》
《歌の写真集》
《ライブ・イベント予定》
■4/15(土) ヤマカワタカヒロ企画ライブ(弾き語り)@下北沢LOFT
『ライブ! 年の差なんて 〜4人で真春の紅白歌合戦~』
■5/20(土) the Brand-new Amsterdam
@下北沢mona records 昼公演(詳細未定)
※ヤマカワ・フジモト・アオヤマのスリーピース構成での出演予定
■5/27(土) ヤマカワタカヒロ弾き語り
@下北沢LOFT 夜公演(詳細未定)
■6/3(土) ヤマカワタカヒロ弾き語り
@下北沢LOFT 夜公演(詳細未定)
■6/25(日) the Brand-new Amsterdam
@下北沢Breath 夜公演(詳細未定)
<社会活動>
〜すべての子どもたちへ「安心できる居場所」と「生きる力」を〜
特定非営利活動法人HUG for ALL
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noteを読んでくださりありがとうございます。 歌を聴いてくださる皆様のおかげで、ヤマカワタカヒロは歌い続けることができています。 いつも本当にありがとうございます。