見出し画像

小笠原滞在記 Day 6 「普通だけど特別な普通の1日」

Day5のラストあたりをエモめに締めてみた。いわく、

小笠原の普通の日々、そして多分小笠原だけではなく、自分の住んでいる街にいても、本当は普通の毎日が、いつだって特別なんだろう。小笠原にいる時みたいに本気で周りを見渡してみれば、同じように記憶が追いつかず、シャッターも追いつかないほど、いろんなことが起こっている。それを僕は、あれこれと言い訳をつけて、見えないないふり、退屈なふりをしてやり過ごしている。

エモっ!エモ助か、マジで。ちょっと針がエモに振り切れすぎてるので、オーディナリー側に戻すのが、ダイナミズムってもんだと思う。

ということで、今日は前日の自分の言葉に従って、「小笠原の普通の1日」を、スナップ写真と共に辿ってみようと思う。小笠原の朝は、綺麗な太陽が窓から入ってくる朝の7時頃にスタートする。壁には一輪の花。毎日違う花に変えられているのに気づいたのは、三日目だった。

画像1

朝ごはんは7時半。ホテルPAT INNのおかあさんが作ってくれる朝ごはんをあれやこれやと美しい光を選んで撮影するのが、我々撮影クルーの朝の儀式。

画像2

最新のガジェットとガチ機材が揃う珍しい朝食風景。ちょっと光が入ってきていなかった僕の朝食では撮りづらかったので、横から市川なぎちゃんのご飯をパチリと。うん、極上。

画像3

画像4

たっぷり二杯のご飯をいただいて、ホテルを出る時には、だいたい9時前。ゆっくり食べ過ぎ、ワイら話しすぎ。さすがワーケーション、半分はヴァケーションだもの。

この日は島に来て最初の単独行動フェイズ。北村さんとなぎちゃんがどこか知らぬところへと旅立った後、僕はとりあえず溜まった洗濯物を洗って干してってやってたら、瞬く間にお昼前。慌ててカメラを持ってホテルを出る。今日は街の姿を撮っておこう、前々から今日をその日って設定してた。意気揚々とホテルを飛び出す、その前に一枚。

画像5

はい、スナップの才能ゼロ。なぜ俺は、このでかい木を前に置いたのか。意図がわからない。でも回る光は美しい。すでに初夏を思わせる太陽が、ホテルPAT INNの美しい壁面を彩る。毎日ホテルを出るときに心が浮き立つんだ。

さて、何を撮ろうかな、と思った矢先、もうお腹が空いてきた。ご飯二杯も食べたというのに、この街に来てから俺の胃はいつにも増して勤勉で快調だ。胃腸を癒す島、小笠原。

ところがどっこい、お店がどこも空いてない。気づけば時間は2時を過ぎたところ。おがさわら丸が出港している期間、いわゆる「オフシーズン」の日は、まるで魔王が山からやってくるのをひっそりと扉を閉めてやり過ごす中世の街のように、オフシーズンの小笠原では14時を超えたら店を探すのに苦労する。

おっと、一件店発見!ハードロックカフェだ!!!

ハードロックカフェ!

ハートロックカフェ???

商標大丈夫ですかー!!!???

画像7

ま、細けえこたあ良いんだよ、酒さえ飲めりゃガッハッハ。というわけで、昼からコロナなど一杯。最高。

画像6

太陽とコロナビール。あ、多分この「コロナ」の表記のせいで、noteには「コロナについて書いてます!!」って出るはず。嗚呼、この島にいればコロナのことなんて考えなくて済むのに!(何度も書いてますが、今小笠原に来るには、事前にPCRを受ける必要があります。多分世界で一番安全な場所の一つ)

コロナ飲んだらすっかり出来上がってしまって、この後の記憶がしばらく存在していない。でもどうやら僕はちゃんと街を歩いて、パシャパシャ写真を撮っていたらしい。

画像8

やば、酒飲んで記憶ない時の方がスナップ素敵やん!おかしいやろ、俺これ撮った記憶ないよ?まあでも撮れてるんだから俺が撮ったんだろう。わーい、いい写真。

小笠原はどこに行っても本当に絵になるし、才能なんてなくたって、シャッターを切れば、時々は天啓だって降りてくる。

画像9

やべえ、自分で言うのもなんだけどいい写真だ。

でもなんの工夫もない一枚だって、それは僕の記憶を構成するよすがになる。

画像10

写真を撮ってなかったら、多分もうここの前を通ったことさえ、1ヶ月後には忘れてしまうかもしれない。素敵な白い壁の教会。

画像11

どんなに光が強くても2月の太陽はすぐに沈む。4時も過ぎてくると、急速に太陽はその力を失い始め、独特のあの魔法の時間へと転げ落ちていく。

そして海に囲まれた水の街である小笠原は、滋賀県という、同じく水の街に住む僕にとっては、体の半分が最初からこの地に適応しているかのように、スムーズに撮影ポイントが目に入ってくる。

画像12

画像13

画像14

海辺を歩きながら、次々に見つかる絶景ポイントをめぐるだけで、時間はもう18時半。今日ももう終わり、あとはご飯食べて寝るだけ...

違う、今日はあれだ、焚き火だった。エッモ!!エモ注意報でますよ、そんなことしてたら。しかもそれに合わせて、あれですよ、クラブハウス。最先端か。

画像15

画像16

画像17

港前のリュウ天という居酒屋さんのマスターが、PAT INNのオーナー健さんの幼馴染ってことで、焚き火のヘルプに来てくださってた。島一番のホテルと島一番の居酒屋のマスターに焚き火飯作ってもらうなんて、そんなことあります?小笠原クオリティ。

ふと空を見上げると、焚き火の煙の間から、満天の星空が見えた。そうだ、そろそろ天の川撮らないと(こうして、僕の小笠原での天の川トライが始まったわけですが、これが地獄の始まりであるとはこの時は全く思いもせず...)

普通の1日。でもこうやって自分で特別にしていくんだよ。旅と、出会いと、写真と、ご飯と、言葉で。

記事を気に入っていただけたら、写真見ていただけると嬉しいです。 https://www.instagram.com/takahiro_bessho/?hl=ja