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iPad Air(M2)、iPad Pro(M4)お触りレポート-触ってみて感じた良・悪ポイント【月イチぱどらばニュース】

iPad専門家のらずたかひろです。
5/15に発売したiPad Air・iPad Proですが、5/19にApple 丸の内で触れてきたので、レビュー。

11インチiPad Air(M2)

誰でも使いやすい万能な1台。

M2チップを搭載し、iPad Pro 2022年モデルに近い性能を持ったiPad Air。画面サイズが11インチとなっているので第4世代や第5世代の10.9インチより画面が大きくなった?って思われがちですが実際は画面サイズは一緒。
そのためベゼルが太いのがちょっとデザイン的に気になる感じ。特に新たに出た13インチは以前のiPad Pro 12.9インチと全く一緒な細さに対して11インチは変わっていないのでそこは変化を出してほしかった。

11インチと13インチのiPad Air

デザインは以前のモデルとは大して変化はなしだが、カメラが横になったのがこれまでのモデルとは違うポイント。
iPad AirはProMotionがついてないため、Proから買い替えるユーザからすると違和感を感じやすいところもあると思います。とはいえ筆者はそんなに気にしないなとは思いました。11インチだったら…ね。

Apple Pencil Proの触覚フィードバックに感動

新たに出たApple Pencil Proでは触覚フィードバックが搭載されました。また新機能として「スクイーズ」という機能が追加され、Pencilを長押しすることでパレットが表示されツールを素早く変更することができます。
でもやはり一番大きいのは触覚フィードバック。これが一番良かった。スクイーズはペンシルを長押しすることで表示できます。この感覚はまるでAirPodsの触覚フィードバックに近い印象。また、ダブルタップも触覚フィードバックによって反応を返すようになったので良いポイントです。


13インチiPad Air(M2)

思ったより残念な感じだった…?

新たに出たiPad Air 13インチは初めてPro以外でのサイズ展開となったモデルです。性能は11インチと同様ですが、でかいことでスピーカーの性能が11インチよりちょっと良くなっているのがポイント。
また、M1とM2のiPad Pro 12.9インチの場合はディスプレイにminiLEDを搭載していた関係上結構重くなっていましたが、こちらのiPad Air 13インチは従来のLEDを搭載。そのためWi-Fiモデルで617gと軽い。2018年のiPad Pro 12.9インチでも631gあったので以前のiPad Proと比べると軽くなっている。

でも、実際に触ってみるとProMotionがないので画面は11インチ以下に比べてかなりもっさりする…

デカいiPadはこれまで初代を除きすべてProMotionが搭載していました。つまり13インチ級のサイズはほぼすべてProMotionが当たり前と言ってもいいほど必要だなと言うことがわかりました。
すでにiPadOS 16でアップデートが止まってしまった初代のiPad Pro 12.9インチからの買い替えであればベストな選択になると思います。2018年モデルから買い替えとなるとちょっとムズカシイ(・_・)

だが、価格は決して安いとは言えないものの、miniLED搭載のiPad Pro 12.9インチの価格は17万ぐらいしていたため、安いと言われてみれば安い?

ちなみに…

13インチiPad Airの価格
12.9インチiPad Pro(M1)の整備済製品の価格

M1を搭載した12.9インチiPad Proの方が4000円安いと言ったところ。もちろん性能もM2を搭載してPencilもProが使えるAirの方が利点はあります。しかしProMotionも付いてる、miniLEDでディスプレイが若干良い、スピーカーが4つというProだけの特権を犠牲にするか迷う形になります。
M2のiPad Proの整備済製品がどれくらいの価格で出てくるのかがポイントになってきますね。


11インチiPad Pro

miniLEDさえ付かなかったモデルが有機ELに

ついにiPadで初めて有機ELが搭載されました。
すでにiPhoneやApple Watchで実現済みで、他社タブでも搭載している機種もありましたが、iPad Pro 12.9インチのminiLED搭載だけでなかなか搭載されませんでしたが、ようやく11インチ、13インチ両方に有機ELが搭載されました。
今回はminiLEDを載せてなかった11インチも有機ELとなり、高画質が実現。さらにこれを機により薄くなったのもポイント。

触ってみると、iPhoneをよりデカくした画面の綺麗さがiPad Pro(M4)って言う印象。それくらい綺麗です。有機ELはバックライトが要らないだけではなく、黒の表現に強いのがポイント。有機ELの強みを活かして、絵を描く人にとっては黒の表現具合がどれくらいなのかがよりわかりやすくなったのではないでしょうか。

筆者のiPadは、ペーパーライクフィルムを貼っているため曇っているように見えますが、確かに黒味が強いです。しかし、これはまだ明るいところにいるためカメラ越しだとその表現具合がよくわかりません。
暗いところだと、液晶が黒でも明るく映るのでそこからそれぞれの特徴性が出ます。



薄さは従来のiPad Proに比べて本当に薄くなったのは確か。そして肝心の重さは、11インチiPad Proだと444g。従来モデルが466gなので軽くはなっているのですが...以前も十分軽かったので軽さは体感しづらい。

←M1モデル M4モデル(11インチ)→
とにかく薄い
iPadよりUSB-Cケーブルの方が分厚いという

13インチiPad Pro

持ってみてわかった「なんだこの○○は!!」

iPad Proを初めて持った初代の11インチから現在のM1モデルまでこよなく11インチを愛して使っていました。13インチ系のサイズはどうしても重いのがネックでごろ寝タブとして使うのもちょっと難しいんですよね。
デカいのは当たり前だとしてやはり重いとちょっと嫌かなぁって思うんです。

今回の13インチiPad Pro、持ってみると...とても軽いんですよ。とても。

その軽さは数字でも出ています。12.9インチiPad Pro(M2)では682g、12.9インチiPad Pro(A12X)では631g(全てWi-Fiモデル)と600g越えでした。特にM1以降からはminiLED搭載により50g近く重くなってしまいました。なお、初代12.9インチiPad Proは713g。そこまでとは言えないけどやはminiLEDを載せたことによる代償が大きい。

一方、13インチiPad Pro(M4)は、579gです。かなり軽くなった!1世代前のと比べると103g軽くなったのです。実際持ってみるとその軽さは実感できるはず。
大きさのおかげか重みが分散してるので感覚的に今持っている11インチiPad Pro(M1)と同じくらい軽い!って言う雰囲気に。
これだとごろ寝使用でも十分快適に使えるのではと思います。

でもお値段はやはり高い。13インチは20万越え...かなり高い。
昔までは10万が普通でしたけど、これだとMac買えちゃうんじゃないかと。なので買うとしてもやはり11インチになっちゃうのかなーと。それでも16万なので高い。

13インチ

ちなみに11インチの薄さは5.3mmですが、13インチはより薄い5.1mm。誤差とはいえデカいとより薄いっていう実感が出ます。


カメラは退化した?でも納得な理由

消えた超広角レンズ

iPad Proでは2020年モデルから超広角レンズを搭載しデュアルカメラ化しました。
ですが今回のモデルから超広角レンズが撤廃。僅か3世代分にのみ搭載していましたが消えてしまいました。そのためiPad全てのモデルは再びシングルカメラのみに。

これは超広角レンズの使用率があまりにも低かったのが納得がいく理由でしょう。むしろ撤廃してよかったって思ってます。僕も今使っているiPad Proはカメラを使うとしても超広角は全くもって使っていません。
iPhoneはむしろ使う方ですが、そもそもiPadでカメラを使う機会があってもそれはおまけ程度。ビデオ通話で使ったりとか書類スキャンに使う分だとしたら良いんですけど...

他のAndroidタブレットだとデュアルカメラを搭載しているところもありますけど正直タブレット全体通してデュアルカメラである必要ってあるんですかね。


iPad Pro:上位ストレージになってくるとスペックが変わる

今回のiPad Proは、最新だったはずのM3チップを飛ばしてM4チップを搭載しました。すでにわかっていることはCPUが従来の無印Mチップより2コア多くなっていること。しかし、従来のモデルはストレージ容量によって搭載するRAMの容量が多くなるのですが※1、それに加えてM4チップは9コアCPUと10コアCPUの構成違いが存在するようになりました。
256GBと512GBでは9コア(3コア高性能コアと6コア高効率コア)が搭載されているのに対して、1TBと2TBでは10コア(4コア高性能コアと6コア高効率コア)が搭載されています。またRAMはこれまで通り256GBと512GBストレージで8GBのRAM※2、1TBと2TBストレージで16GBのRAMを搭載しています。

また、今回からApple Studio DisplayやPro Display XDRにあるNano-textureオプションがiPad Proで利用可能になったのですが、何故か知りませんがこれも1TBと2TBのストレージにしか用意していないのです。
このオプションはまた後ほど紹介。

※1:iPad Air(M2)もストレージ容量が最大1TBになったが、1TBモデルでもRAMは8GBのままとなる。
※2:とあるレポートによると、実際のM4チップのRAMは12GBを載せているが公式では8GBの制限をかけているらしい。ソース:https://taisy0.com/2024/05/19/198504.html

Nano-textureオプション

1TB以上のiPad Proを選ぶと、Nano-textureガラスを選べるようになります。これはMacの純正ディスプレイでも選べるオプションで、光源でも映り込みを抑えるようになります。iPad Proの場合公式では記載されていませんがこの特徴に加えてApple Pencilの描き心地を多少良くできるようになります。

なぜ1TBストレージ以上なのかはわかりませんし、ペーパーライクフィルムを貼る人は不要なオプションなのかも?


iPad Pro(M4)専用の新しいMagic Keyboard

寸法とかが全く変わってしまったので従来のMagic Keyboardとの互換性が消えてしまいました。そのため再設計された新しいMagic Keyboardが投入されました。
無印iPad第10世代専用のMagic Keyboard Folioにしか搭載されていなかったファンクションキーがようやく搭載されて使い勝手も良くなり、パームレストはアルミになったのでMacに近い質感になりました。

またMagic Trackpadも感圧式になりました。よりMacに近い感覚のトラックパッドに。でもMacにある感圧クリックは対応していないっぽい?

もってみた感じだと軽くなった?印象があったのですが...やはりそれでも重さはあるかなと言った印象です。
アルミになったことで耐久性も上がったのかなーとは思うんですがそれでもポリウレタン素材が使われてるところもあるので耐久性には期待できないかも...

僕のMagic Keyboardは4年選手ですでにポリウレタン側の劣化が始まっています。剥がれかけになっちゃってるのでもうちょっと長く使えるような工夫ができないのかなと...

あとは重さとか使い勝手です。本体より重いキーボードがかなり足を引っ張ってるような感じで重いと体に負担がかかっちゃうことがわかりました。あとごろ寝とかの用途だとどうしてもキーボードを外さなきゃならないって言う手間が必要で、旧モデルと同様でSmart Connectorが背面にあるし使えるケースが限られちゃうという点があるんですよね。

値段も旧型と据え置きですが互換性がないから買い替えが必要でどうしても高く感じてしまいます。


総評

iPad Airはストレージ容量も増えて、大画面のモデルも登場したことで旧型iPad Proの役割にちかいポジションになりました。ProMotionがないとはいえ、いろんな人におすすめできるタブレットなのかなと思います。立場としては無印のiPhone 15に近いような印象です。

一方、iPad Proはより新世代チップを搭載したことでAirとの差別化ができているのではと思います。有機ELを搭載したことでディスプレイが良くなったと言う利点も大きいのですが、本体の進化は結局はそれだけなのかなと言う感じ。Pencilは既存のモデルも対応できたらよかったんだけど...仕方がない。
全体的にみても意外とそこまで既存のモデルでも十分だなって言う感じです。というか2018年モデルがすでに完成形を保っちゃっててもう変えるところがほぼないって言う感じになっちゃってるんです。チップはもう毎回変わるけどM1→M2でもふーんって言う感じでしたから。
なので次のM5?チップのiPad Proを出しても余計進化が目立たないのでは?と思います。変わるとしてもPencil周りの強化ぐらい(2022年のペンシルホバー対応みたいな)だと思います。

また、そろそろOS関係は何かしらのテコ入れを入れてほしい。M4チップを載せた理由は公式では有機ELだとスペックが必要になったからM4を載せたらしいのですが、折角M4を載せてソフトウェアがしょぼしょぼでは勿体無いような気がします。MチップシリーズのiPadだけで良いから(M1省かれはやめてほしい)もうちょっとマルチタスク関係改善してほしい。
この話はまた別の機会で話せればなぁと思います。

ぜひiPadに興味を持たれたら、Discordサーバ「iPad Lovers!!!!」にぜひお越しくださいませ。

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