それ見たことか

 三重県桑名市の温泉施設で、女性用の浴場に入ったとして43歳の男性が逮捕されました。警察の調べに対して「心は女なのに、なぜ女子風呂に入ってはいけないのかわかりません」などと供述し、一部容疑を否認しているそうです。


 LGBT法案に反対していた私からすれば、「それ見たことか」と言いたくなってしまいますが、そこはもっと広い視野で見なければいけないでしょう。しかしながら、「心は女なのに、なぜ女子風呂に入ってはいけないのかわかりません」というコメントはしっかりLGBT法案の影響を受けているように思います。いや、法案というよりも、法案に反対する方々の言説の影響かな。「心は女性」と言い張って、男性が女性用の浴場やトイレに入ってきたらどうするんだなんていう問題提起から影響されたという方が正しいと思えてきました。もっと言ってしまうと、そうした問題提起をしていた方々による仕込みではないかと疑うような方もいるのではないかと思います。


 個人的にはLGBT法案には反対なものの、先述したような問題提起については若干懐疑的でした。しかし、大した理由があるわけでもなく、「さすがに、そんな奴いねーだろ」という楽観的なものです。よく安全保障政策などが進められそうになると「軍靴の音が聞こえる」みたいなことを言ってくるような方々と程度こそ違うものの、同じような大げさ加減を感じておりました。ただ、実際出て来てしまったというところは驚きです。「心は女性」だから、女性用浴場に入りたいというのもなんとも言えないところですし、では、私自身がこのまま女性用浴場に入りたいとも思えません。透明人間になれるなら、ちょっと入ってみたいような、、、そこは置いておくとして、その人の心の内というのは、全てその人次第でしょうから、心の内側を外から判断することは出来ないでしょう。それを基準に何らかのルールを決めるというのも、もう少し慎重になってほしかったなと思います。


 そもそもこうした女性用浴場に男性が入ってしまう犯罪が、どの程度の件数発生しているのかというのは一般の方は把握できていないでしょう。罪状は建造物侵入罪だそうで、初犯なら不起訴もあり得るそうですが、そうした犯罪が今までどれくらい起きていて、法案施行後に増えたのかどうか、犯罪の動機も含めて把握しないと「それ見たことか」とも言えないように思いました。

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