トランスジェンダーになりたい少女たち 3
続きです。
「ティーンエイジャーはほかのあらゆる年代よりも危険を冒す。とりわけ仲間の賞賛がかかっているときには危険を冒す傾向にあることが神経学でも明らかになっている。(中略)ティーンエイジャーは仲間と向き合うと、ほとんど自分を抑えられない。自己抑制を司ると考えられている脳の前頭前野は一般的には二十五歳まで成長が終わらないからだ。」とありました。ティーンエイジャーに限りらず「仲間と向き合うと、ほとんど自分を抑えられない」ような方も結構見ておりますが、自らがその年代だったことを思い返しても、この部分は共感できます。
そうしたことから抑制が効かなくなり、ホルモン投与などを始めてしまうのですが、テストステロンを投与することによって、膣委縮、筋肉痛、子宮内膜症による痛みをともなう痙攣、発汗の増加、むら気、攻撃性などの症状が出て、長期的には糖尿病、脳卒中、血栓、がん、心疾患の危険性が高くなるのだそうです。また、性別違和かどうかはっきりしない人のために思春期ブロッカーという二次性徴を抑制する薬を投与するともありました。思春期ブロッカーは前立腺がんや乳がんの治療に仕様される薬なのだそうですが、そんな薬を成長過程の人間に投与するというのもどうかと思います。
さらには乳房切除手術までしてしまうような少女もいるようですが、乳房は単なる脂肪組織の塊ではなく、一連の繊維線構造がおおよその四分円に分かれており、機能については詳しく触れませんが、切除をしたあとに元に戻そうと新しいふくらみをつくっても、それは乳房ではないとのことでした。更に陰茎形成術と陰核陰茎形成術を受けるような人もいるようですが、この手術も完璧に実施できる医師は稀有で、合併症に苦しむ患者が多くいるとのことでした。こうした手術に踏み切ってしまって、後悔している方々がたくさんいらっしゃるのですが、当然のことながら、もう元に戻ることは出来ません。そうしたことから本書の原題は「Irreversible Damage(不可逆的なダメージ、元に戻れないダメージ)」となっています。
さらに続きます。
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