「ひとり代理店」で稼ぐ新しい企業の教科書

 小宮絵美著「自宅で年収1000万円『ひとり代理店』で稼ぐ新しい企業の教科書 初期費用ゼロで、誰でもできる超具体的ノウハウ」を読みました。著者はタイトル通り「ひとり代理店」をされている方です。「代理店」とは「広告代理店」のこと。「広告代理店」なんていうと電通、博報堂なんていうイメージが強く、「ひとり」という言葉とは相反する気がしますが、そのあたりの疑問は読み進めればすぐに解消されました。

 「ひとり代理店の顧客の中心は、1店舗しかないとんかつ屋、家族経営の建築会社、個人経営のネイリスト、従業員20名ほどの工場など、町中にあふれている個人事業主や中小企業です。売り先が無くなるということはありません。」とありました。広告の需要というのは大規模なものだけでなく、非常に幅が広いということがよく分かりました。どんなに良い商品を提供できても、認知されなければ売り上げも上がりませんし、誰の役にも立てません。その認知を得るために、小規模な事業者であればそれなりのやり方があり、そうした場合に大きな会社よりも、きめ細かく対応してくれる「ひとり代理店」にニーズがあるのでしょう。日本の中小企業数は300万社以上、個人事業主は220万人といわれ、本書によれば「ひとり代理店」はエリア関係なく受注できるとのことですから、確かに売り先が無くなるなんて言うことはないでしょう。

 名刺の作成・販売について、価格を「『100枚で2万円』以外は伝えません」とありました。これは、商談というより、その前段階のお話ではありますが、印刷は枚数がまとまれば単価を下げることが出来るなど、金額設定に複雑な面がありますが、シンプルにして覚えやすい価格だけ伝え、それ以外は聞かれたら答えるにとどめておいたほうがよいとのことでした。売る側は色々理解しているし、誤解が生じると困ることがあるから、事細かに説明してしまいがちですが、聴く方がそれほど興味を持っていない段階であれば、シンプルにお話をした方が後々思い出してもらえるのでしょう。

 私が「ひとり代理店」を遣ろうと思っているわけではないのですが、通常の営業において参考になることが満載でした。我々は売る商品を持って営業していますが、著者はほとんどすべて外注で成り立たせているのですから、凄いです。また、1000万円稼げなくとも、自宅でできるなら副業として取り組んでみるのも面白いと思います。

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