なりすまし

 外出して本社に帰ってくると、机の上にメモが置いてありました。「埼玉県共同配送の件」とのことで、折り返しの電話番号をも書いてあります。社名が運送会社っぽく無かったので、「ちっと怪しいな」と思いつつも、やっぱり仕事の話ですから、前向きに折り返してみるわけです。

 電話をして、こちらが名乗ると「折り返しありがとうございます」と丁寧な応対でした。ただ、自己紹介で自ら「常務の○○です。」と言ったことに違和感を感じながらも、要件を伺うと「福岡県の運送会社との資本提携と共同配送について、、、、」と話し始めました。「資本提携と共同配送は関係ないでしょ?」と聞くと、「資本提携を行ってから、共同で配送事業に取り組んで利益を向上させようという、、、」と話し始めたので、結局はM&Aの仲介業者だということが分かりました。

 以前、ドライバーの求職者になりすまして弊社に問い合わせの電話をしてきた求人媒体業者がいて、大変嫌な気分にさせられましたが、その後も同じような手口で何度も電話がかかってきました。でも、こうした内容を伝えられてしまうと、本業をしっかりやっている会社であれば折り返し電話をしてしまうものでしょう。でも、結局本来の目的とは違う話なのですから、返って心証を悪くするとは考えないのでしょうか。こんなのやSNS上にいる「なりすまし」と同じですよ。

 とはいえ、やり方としては最終的な成約目的よりも、電話をつなぐこと、折り返しの電話を貰うことが目的になっているようにも思えます。例えば、間違えて携帯電話でおりかえしてしまったら、それがテレアポ営業マンの一つの成果になってしまうのかもしれません。そういえば、もう何年も前にM&A業者のセミナーに参加した後、その会社のさまざな方から頻繁に電話がかかってくるようになりました。名刺交換した方なら良いのですが、全くあったことも無い方からかかってくるので「どうして私の番号を知っているの?」と聞くと、「弊社では頂いたお電話番号を共有させて頂いております。」といって憚りませんでした。

 そんなものなのかと思ったのですが、そういえば乗務と言っていたことを思い出して、うろ覚えの会社名や名前等を検索してみると、その方らしき人を発見することが出来ました。うーん、役員でもそんな営業しているのかと思うとガッカリですね。いろんななりすましがいるので気をつけたいと思います。

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