175号

 ドジャースの大谷翔平選手がパドレス戦で4号ホームランを放ち、元ヤンキースの松井秀喜氏が持つ、日本人選手最多のメジャー通算175号本塁打に並びました。さらに、この後の打席でもヒットを放ち、日米通算1000本安打も達成しました。松井氏はMLBで1236試合で175本塁打だったのに対し、大谷選手は717試合で並んでしまうのですから凄まじいです。

 松井氏はメジャーに行く前の5年間で34、42、42、36、50と本塁打を量産し、2回の本塁打王に輝いています。まさに全盛期といったタイミングでのメジャー入りでしたが、メジャーでは1シーズンでの最高が31本でした。怪我で試合数が少ない年もありましたが、名実ともに「ゴジラ」だった松井が、一回り小さくなってしまった気がして残念だったとともに、メジャーのレベルの高さを感じたものです。

 一方の大谷選手ですが、高校時代に160㎞の球速を記録し、二刀流で育成していくというプランで騒がれていました。とはいえ、「160㎞を投げる投手だが、打つ方も凄い」といった印象で、投手が中心で、野手としても成果が出せるくらいのイメージでした。怪我のリスクもあるので、出場試合数も抑えめにしてあったので、日本では規定打席に達することもありませんでした。それでも、我々カープファンが煮え湯を飲まされた日本シリーズでのサヨナラヒットはえげつない打球だったと思います。ファーストゴロかと思ったんだけどなぁ。

 メジャー移籍後3年間は投手としては4勝3敗、打者としては232安打、47本塁打、147打点ですから、メジャーで二刀流を実践して、この結果というのは本当に立派なものだと思います。その後、2021年で覚醒したと言っても過言ではありません。3シーズンで449安打、124本塁打、290打点、34勝16敗でMVPが2回ですから、エースと4番を一緒にやっているようなものです。繰り返しになりますが、「160㎞を投げる投手だが、打つ方も凄い」といった印象は破棄されましたし、「ゴジラ」が一回り小さくなった舞台で、それ以上に打者として大きくなっているというのは本当にすさまじいことだと思います。

 以前から、大谷ファンの方にはよく言っているのですが、あのベビーフェイスから、純粋な野球少年の延長線上にいると思ったら大間違いで、完全なバケモノです。「ゴジラ」に並んでしまったのですから、更に声高にバケモノと言い続けようと思います。

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