賢い人のとにかく伝わる説明100式
深谷百合子著「賢い人のとにかく伝わる説明100式」を読みました。著者は大手メーカー勤務から、中国国有企業勤務を経て独立、「難しい」を「易しい」に変える伝え方ナビゲーター・コミュニケーション講師・ビジネスライティングトレーナーとして活躍されている方です。
冒頭、「説明上手になるためにまず必要なのは『観察すること』、つまり、相手をよく観察し自分と相手との間にある『差』を知ることです。」とありました。相手の前提が分かっていないと、こちらがいくら一生懸命言葉を尽くしても、的が外れていて興味を持ってもらえないなんて言うことがありますから、まずは相手をしっかり知らないといけないというのはよく分かります。
タイトルに「100式」とありますが、100の項目に分かれていて、1項目が見開き2ページ、項目の最後には「POINT」がまとめられており、とても読みやすかったです。「形容詞や副詞ではなく『事実』『数字』で説明する」という項目がありましたが、これは結構陥りがちですね。人から説明を聞くときは、「もっと具体的に」なんて求めてしまいますが、割と自分もあいまいな言葉を使っているケースがあると思います。
「商品のスペックではなく、どんな変化が起きるのかを説明する」も耳が痛かったです。「新車購入しました。使ってください。」、「倉庫建てました。使ってください。」なんて売り込むこともあるわけですが、それは全てこちらの都合であって、そうした商品を使った時に相手にどういう変化をもたらすのか、もっといえばメリットをもたらすことが出来るのかという所が伝わらないと、興味を持ってもらえないでしょうね。
メールについて「件名で用件がわかるようにする」という項目がありました。例えば「お見積りの件」ではダメで、「○○システム導入に関わる見積書送付」と詳細に書いた方がよいとのことでした。昨今は迷惑メールが散々混ざりますから、下手をするとそれらに埋もれてまとめて削除されてしまう可能性もあります。自分のメールが相手にどのように映っているのかは、メールソフトによっても変わってくるのでしょうが、件名が表示されることは変わらないのでしょうから、件名はしっかり記載しておきたいと思います。
「こんな時にどこを読む?」と説明に困ったときに、どこの章を読めばよいのかというガイドもついていて、1冊持っているととても役に立つと思います。
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