昇降設備

 2023年10月1日より、トラックに昇降設備の設置義務が課せられることになりました。残念ながら、荷台からの落下事故が多いのでしょうね。そんな訳で、色々と検討を重ねておりましたが、ちょっと9月中旬からトラブル等あり、弊社は対応が遅れておりました。とにかく急いで設備を購入してしまえばよかったのかもしれませんが、いろいろなことが言われているので判断に迷ってしまっい、トラブルと相まって結論を先延ばしにしてしまったところは大反省です。「いろいろなこと」というのは「手摺りが付いていないとダメ」、「ウィング(荷台の左右後方が解放される車両)ではなくバン(後方だけが解放される車両)は設備がなくても良い」、「パワーゲート車も設置が必要」なんていうことです。また、使用するドライバーも荷台にそれらが乗っていることで、仕事に邪魔になるケースもあるので、やたらなものを買う訳には行きませんでした。降ろしたアオリに掛けて使用するタイプのものもありましたが、アオリに傷がつくため、わざわざ掛ける部分を養生しているドライバーもいると聞いたので、そうした手間がかかるのであれば、いずれつかわなくなり落下事故防止という目的が果たせなくなります。

 そんなこんなで、同検討しようかと思ったのですが、いろいろなことを言っている方の根拠も今一つ不明確だったので条文に立ち返ってみることにしました。で、お恥ずかしい話なのですが、冒頭「設置義務が課せられることになりました。」なんて書いてしまいましたが、もともと設置義務はありました。改正前の条文は
「労働安全規則第151条の67
事業者は、最大積載量が五トン以上の貨物自動車に荷を積む作業(ロープ掛けの作業及びシート掛けの作業を含む。)又は最大積載量が五トン以上の貨物自動車から荷を卸す作業(ロープ解きの作業及びシート外しの作業を含む。)を行うときは、墜落による労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者が床面と荷台上の荷の上面との間を安全に昇降するための設備を設けなければならない
第2項
 前項の作業に従事する労働者は、床面と荷台上の荷の上面との間を昇降するときは、同項の昇降するための設備を使用しなければならない。」
というもので、これが
「労働安全規則第151条の67
事業者は、最大積載量が二トン以上の貨物自動車に荷を積む作業(ロープ掛けの作業及びシート掛けの作業を含む。)又は最大積載量が二トン以上の貨物自動車から荷を卸す作業(ロープ解きの作業及びシート外しの作業を含む。)を行うときは、墜落による労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者が床面と荷台上の荷の上面との間を安全に昇降するための設備を設けなければならない
第2項
 前項の作業に従事する労働者は、床面と荷台上の荷の上面との間を昇降するときは、同項の昇降するための設備を使用しなければならない。」
 と変更、つまり「五トン」が「二トン」に変更になったので、簡単に言ってしまえば、大型車両にはもともと昇降設備が必要だったが、それが小さい車両にも拡大されたということです。
 
 長くなりましたので、明日に続きます。

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