見出し画像

マスク

つい先日の朝の話。僕は仕事で部屋を出て、自転車に乗って最寄り駅に向かっていた。時間は結構ギリギリである。そして焦っていたせいか、ここで僕は大きなミスをしたことに気付く。なんとマスクを忘れたのだ。運悪く丁度、予備のマスクもない。

このコロナ禍の中でマスクなしで電車に乗る勇気が、痛い程に刺さるであろう周りの乗客の視線に耐える勇気が、その時の僕にはなかった。そして普段あまり使っていない頭脳をフル回転させ、駅近くのセブンイレブンでマスクを購入することを決意する。その決断に要した時間は恐らくコンマ何秒という短いものだったはずだ。普段は優柔不断だと自覚していた自分自身でもその決断の早さに驚いた。

セブンイレブンに到着した僕は自転車の前かごに荷物があるのも気にせず、店内に飛び込みマスク売り場から少し安めのマスクを奪うように選び、レジて会計を済ませ駐輪場に向かった。その時僕はほとんど商品は見ていなかった。これ多分マスクだろう、そんな認識だったと思う。

そして電車に乗り、よしマスクを着けようと、その購入した物を見ると、それはマスクではなくマスクを長持ちさせるためにマスクの下に入れる布シートだった!何て日だ!思わず心の中で叫んだ僕は舌打ちをして、恐る恐る周りを見る。朝の通勤電車のマスク着用率は僕の見えている範囲では100%。
そりゃそうですよ。何て言ってもコロナ禍ですから。やベー、どうしよう、このまま着けてるふりをして何食わぬ顔で30分電車に乗るのは・・・しかも乗り換えもあるし。

結局、僕は次の乗換駅で改札を一回出てから、改札近くのコンビニで再びマスクを購入することになった。イライラしながら、そういう時に限ってレジは混雑しているのである。

品川駅に到着して、ダッシュしながら僕は思った。誰が悪いんでもない。早めの行動をしなかった自分が悪いのだと。

#マスク #電車 #ダッシュ #コロナ禍

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?