白地図で国を覚えて境界の脆さは知らずにいた地理の時間/飛和

2022年5月23日(月)のうたの日15時部屋の題「理」でバラを取った短歌。

高校で履修した地理の授業だろうか。白地図を配られ、どこに何という国・地域があるかを問われる。色や国名・地域名のついた地図と照らし合わせて、国・地域の場所を覚える。

そのときに重要なのは、大陸の国・地域ならなおさら境界のなす形である。その境界線を信じて、国名・地域名を覚える。

しかし、どうだろうか。ロシアによるウクライナへの侵攻により、ウクライナの領土であるクリミア半島も国土の東部もロシアの支配下となっている現状がある。戦争により国境が侵されている。

これまでも歴史の中でこのようなことはあったが、高校時代の作中主体にはそれは実感されなかった。ただ目の前の白地図とにらめっこするだけであった。純粋無垢とも言えるが、無知でもある。そのさまを客観的に詠んだ一首だ。

「境界の脆さ」を知ってしまった現在の作中主体。教育の場としては、そういった生々しい実情も教えるべきだろう。世界情勢について、教育について、考えさせられる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?