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おべんとう 1

『ひとつずつ食べても、グチャッと混ぜても、お好きにどうぞ。』

フォータカハシでは2019年5月~2020年3月まで、毎週木曜日にお弁当の販売を行っていました。

まずはその経緯から。

フォータカハシのOPENは2018年1月。その名の通り、ベトナムの麺料理フォーのお店です。召し上がったことのある方は、よくご存じだと思いますが、フォーには種類多めの野菜を使っていて、なるべく季節の野菜を使っていました。飾りなどの細かいものも含めたら、1杯のフォーに20種類くらいの野菜が入っていたり。あるお客さんは、丼ぶりの底の方から「君もいたのか」と野菜を見つけて、「宝探しをしているようだ」と言ってくれました。

1年間フォーを作り続けていたら、これは実に当たり前のことなんだけど、旬の野菜がぐるっとひとまわりしたのです。

さて、2年目。フォーに野菜をたっぷり入れるという野菜たちとの関わり方を、1年目と同じように続けていてもつまらない。そこで別の手段として、お弁当を毎週やってみようと思ったのです。

フォーと、お弁当と、イベント出店と、ワークショップ。ごちゃまぜの組み合わせで、2年目のフォータカハシは作られていたのでした。

でもね、その根底にあるのはいつだって「おいしい、たのしい、おもしろい」ことがしたい。

それは、もちろん今も変わってないんです。

ただ、どうやってやるかの選択肢はいくらでもあるし、なにかひとつの方法でだれにでも同じように「おいしい、たのしい、おもしろい」と思ってもらうことはできないんじゃないかな、と。
だからこそ、常にいろいろ試して、じぶんも周りもなるべく飽きないように、変化を継続していきたいなぁと思っています。

これからのわたしの試みの中で、大好物を見つけてどっぷり心酔するでも、気になるものだけつまみ食いでも、みなさまが気軽に選んで、ひょいっとお付き合いいただければうれしいです。


2019/5/16のおべんとうメニュー

●ジャスミンライス
●豚ひき肉とレモングラスのそぼろ
●わかめともやしのナムル
●3種の青菜炒め
●なます
●ただのきゅうりとただのディル
●ごぼうのやわらか煮
●飾り野菜たち

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【豚ひき肉とレモングラスのそぼろ】

レモングラスっておうちで使いますか?フォータカハシではたっくさん使ってました。

レモングラスはアジア料理やカリブ料理でよく使われるハーブ。レモンのような香りのする草(グラス)です。トムヤムクンには欠かせないし、ハーブティーでもよく見かけます。乾燥させたレモングラスはスーパーなどで売ってます。家庭で育てている方も多く、生命力の強いレモングラスがボーボー生えてきたと言っていた方も。

フォータカハシでは、冷凍のレモングラスを買ってストックしてました。フォーのスープを取るときにはレモングラスも一緒にグツグツ。炒め物などにはみじん切りのレモングラスを、にんにくやしょうがなどと同じように使っていました。

このそぼろは、豚ひき肉、レモングラス、玉ねぎ、そして実はパクチーの根っこも入っていたのです。お弁当を注文された方の中には、「(トッピングの)パクチーは抜いてください。」という方もいらっしゃいました。でも、そぼろの中には、パクチーの根っこのみじん切りが…。きっと食べていたはずです。ふふふ。
味付けにはベトナムの魚醤ヌクマムと日本のお醤油などを使っていました。


【なます】

なますっておせち料理でしか食べなかったし、どうでもいい脇役だって思ってました。
でも、フォータカハシのお弁当では、なますの甘酸っぱさが全体をバランスよく仕上げているとしか考えられなかったのです。
このコは、みんながいるからこそ本領発揮する愛すべき存在でした。
なますのレシピを簡単に。

(材料)
大根
にんじん

米酢
グラニュー糖

大根3:にんじん1
米酢3:グラニュー糖1

①大根、にんじんを細切り。
②塩を加えて混ぜ合わせ、しばらく放置
③出てきた水分をギュッと絞って保存容器へ
④米酢とグラニュー糖をグラニュー糖が溶けるほどよく混ぜて保存容器へ
⑤味がなじんだらできあがり。


【飾り野菜たち】

飾り野菜たちの中には、時期によってお花がありました。このお花があるだけで、お弁当の印象がガラッと変わります。
この日のお弁当には、キュウリの上にオレンジの花びらが2枚。たった2枚の花びらだけど、これがないお弁当を想像してみてください。ほら、なんだか華やかさが欠けてしまうでしょう?

フォータカハシのオープン当初からずっとお世話になっている「たばちゃん農園」。
たばちゃん農園は、農家さんなりのいそがしさはあるけれど、せわしない感じがなく、季節とともに適度な速度で時間が流れています。
そして、たばちゃん農園のお野菜といったら色鮮やか。お嫁さんのももちゃんが、お弁当を彩ってくれるエディブルフラワー(食べられるお花)や、ちょっとめずらしい野菜、いろんな種類のハーブを、少しずつ育てています。

たばちゃん農園なくしては、お弁当がこんなに楽しく、豊かになることはなかったと思っています。


* * *


ほかのおかずの事も書いてしまいたいし、たばちゃん農園のおばあちゃんのことも書きたくて仕方がないのですが、あとあとネタがなくなってしまっても困るのでこのへんで。

ご質問やプチ情報、豆知識など、お気軽にコメントくださいませ。質問にはもちろん精一杯お答えしたいです。
一方的な発信だけをしたいわけではなく、質問されて答えたり、読んでくださる方のコメントをわたしや別のみなさまで共有したり、そういった広いコミュニケーションができたら嬉しいです。


次回のおべんとう記事は5/23頃に。次回からはおべんとう記事ひとつにつき100円ちょうだいしますね。

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(市役所へお届けする際に、お持ちしていたメニュー表。全部とっておいてくれました。うれしい♪)

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