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サラダボール「サド侯爵夫人」など

2024年2月16日。こまばアゴラ劇場にサラダボール「サド侯爵夫人」を観にいきました。

自分はアゴラ劇場に行くのが初めてだったため、無事に会場に辿りつけるのかドキドキしましたが、なんとか辿りつけました。(渋谷から歩いて30分くらいで、いい天気だったので気持ちよく歩けた)
「こんな場所だったのか…」という感慨深さがありました。

「サド侯爵夫人」は3時間以上あるお芝居だったので、長かったです。熱がぎゅっとしてる感じでした。

作者は三島由紀夫で、台詞の言い回しがお母さんヒス構文くらい長いので、「役者さんが凄い」と思いました。「現代で三島戯曲を上演する意味とはなんだろう」と考える一方「いつでも、こういうのは好きだよね」と思いました。

タブレットの光を使った転換、鏡を使った舞台装置、盛り上がるシーンではテクノ(EDM?)が流れる、「今風」という言葉で片付ける事も出来ますが、集団催眠的にトランス状態に導くための演出だったような気がします。3幕ある、3時間以上ある、ドラマが中々進行しない、それらは全て超越を求めてうっとりした状態になっていく。そんな感じがした。

この日は、イベント?を3件ハシゴしまして、「サド侯爵夫人」を観た後に、神保町で「私たちは消された展2024」を見て、美学校スタジオで、辻󠄀・金子犬輔ふたり展「出来ない、言えない、分からない」を見ました。

「私たちは消された展2024」は、コンセプト通り刺激が強い展示会でしたが「架空のサブカル雑誌」として作られた図録も、とても面白かったので、購入しました。ただ、大きくミスしていて、そこが気になりました。(断ち切り線の位置を間違えたっぽい)

「私たちは消された展」は「展示会というメディア」をどう考えるべきか。補助線というか、よくも悪くも直線的で面白かったです。
それは、プラットフォームが覇権を制している現代において(消極的な意味で)「展示会じゃなきゃ公開出来ない」という事実と、そんな作品を制作している出展者たちの刹那的でアッパーなノリが、直前に見た「サド侯爵夫人」とは対照的に感じられた。
在廊率も高く、主催の酒井よし彦さんや、釣崎さん、牧田さん、などメディア上(SNS)で拝見していた方々と直接お話し出来たのも良かったです。

その後、美学校スタジオに行きました。

辻󠄀 金子犬輔 ふたり展「出来ない、言えない、分からない」

お友達の金子さん・辻さんの展示です。この日は、金子さんが在廊されていたので、絵を眺めながら2時間ほどアニメーターの話をしました。

作品もよかったです。金子さんは小さめのキャンパスに油彩で白と黒の線画を。辻さんは蝋を吹いたでかい扇のような素材の上に、カラフルな色を塗って天井から吊るしていました。

夜は、仄暗い。室内を灯りで照らしてみるインスタレーションを行なっていて、何となく、おふたりの雰囲気を思わせました。
翌日、辻さんが在廊されていた時に見にいった時には、差し入れのお菓子が増えていて、そういう所から人間性とか、作家との距離が感じられて、「こういうのも展示会の面白さなんだよな」とひとりごちる。

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