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City lights,Tokyo

誰かの話し声や、雑踏。
クラクションや、店の軒先まで溢れかえる音楽。
街の人混みをすり抜けながら進めば、ようやく夜が始まる。
夜の数だけきっかけがあるとしたら
今、きみが目の前にいる、今日のような東京の夜にも
もしかしたら、なんてこと

スマートフォンのメモ帳に、思いついた言葉、フレーズ、気になった単語、気に入った表現、そんなものを、僕は兎に角なるべくこまめに残す。
上記の散文は、僕のスマートフォンのメモに残されていた、正しくそれのひとつである。
メモ帳をスクロールしながら指を止める。
あれ?こんなにボリュームのある文章、なんだっけ?
一瞬思い出せなかったが、2行目のあたりで思い出す。
初のワンマンライブで演った、ちょっとした「語り」用の文章だったな。
「TOKYO FRIDAY」という曲を披露する前に、すっと曲にそのまま入るのではなく、導入の演出のようなものを何か考えよう、ということになった。
吉祥寺でのスタジオリハーサルの後、サポートメンバーのみんなを見送った後で、携帯電話で街の雑踏を録音した。
家に帰ってその録音をゆっくり聞きながら、移動中にイヤホンで聞きながら、はたまた深夜のファミレスで聞きながら、冒頭の散文を考えた。。。。。ような気がする。

夏が近づいて、随分と日が長くなった。
6月の終わり。
まだ少し明るさの残る空の下、東京の灯りたちはもう夜を紡ぎ出そうとしている。
夜の数だけきっかけがあるなら、とかなんとかひとりごちながら、僕は少しだけ伸びをして、窓を開け、湿気った空気を部屋に迎え入れてみる。

ちょっと気持ちが向いた時に、サポートしてもらえたら、ちょっと嬉しい。 でも本当は、すごく嬉しい。