日本の私立大学の運営と経営を考える ③(深掘りLIVE #9 文字起こし記事)
金曜の9時になりました。深堀ライブの9回目になりますね。 今日は「日本の私立大学の運営と経営を考える(その3)」です。
この「日本の私立大学の運営と経営を考える」、深堀ライブの3回目で、8月25日に一度喋っています。 それからその後、深堀ライブの5回目「日本の私立大学の運営と経営を考える(その2)」を9月15日にお話ししています。今日が10月の20日ですね。
これまで何を話してきたか。ちょっと簡単に振り返ります。
その1)私学におけるガバナンス強化とは?
1回目の時には、日本の私立大学は多様だということで、必ずしも全てに当てはまることを話すわけではないということを前提に、最近は私学はどこも大変なので皆さん頑張るようになってきたんですが、やっぱり少子化が進む中で、私学におけるガバナンスということが問われるようになってきた。
ところが、それを担う人材がなかなかいないという話をしてきました。 特に教員組織の問題、それから職員組織の問題、これが意外とね、めんどくさい場合があるという話。
それから学科間の対立、あるいは学部を複数もっているところは、学部間の対立みたいな問題があったりするというね。これ私は学科セクショナリズムってよく呼ぶんですけども、大学っていうのは意外と学科・学部単位で動いてきた部分があるので、大学全体の意思決定がしにくい場合があったりするんですよね。 これもだいぶ改善はされてきたと思うんですが、そういったことがあると。
それから大学は、日本の大学はもう臨時的定員問題を解消するときに定員政策を放棄してますので、文部科学省はね。 そういった中で競争が激化して、もう大学は「潰れるところは潰れろ」というのは、実は西暦2000年に始まってた話なんですよね。そこから四半世紀が過ぎようとしている。
さらに西暦2040年ぐらいに向けて、少子化がさらに加速化しますので、そんな中で、これからは本当に潰れる。大学統合再編ということが、大学単位で進んでいくことになっていくわけです。
そんな中で理事会、あるいは理事の一人である学長の役割ということが問われているわけです。 特に理事長、学長、そして理事の役割が重要ですね。 それから教員、職員、それぞれ役割があるわけです。さらに大学組織というのは、学生、同窓生、保護者といった問題もあるわけですね。
その2)経営を優先する私学は失敗する?
そんな話を1回目、少し全体を見る形でして、2回目のところでは、運営と経営ということで、要するに経営問題じゃなくて運営問題なんだと。運営ができなきゃ経営も失敗するんだと。
ところが、経営を優先して運営をないがしろにするという私学も、結構目につくわけで、これは企業だったら成り立ち得るんですね。やっぱり経営が成り立たなければ企業は成り立たない。 ところが非営利組織、学校などの非営利組織は、運営が成り立たなければ経営も成り立たないと、そういう順番なんですよね。
その運営の問題が、ちゃんとできるかどうか。組織運営の問題になってくるわけですけれども、学校組織ってのはかなり特殊なんですよね。 教員という集団もいますし、職員という集団もいる。そして何よりも学生がいる。さらに保護者がいる。同窓生もいるという中で、どこに目を向けて組織運営をするのか。 教員中心に考えてもいけない。職員中心に考えてもいけない。ましてや理事会中心に考えてもいけない。
私学の使命は学生を増やすことではなく育てることにある
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